AO入試のメリット4選とデメリット2選|受験前に確認しよう

AO入試のメリット4選とデメリット2選|受験前に確認しよう

今や、一般入試や推薦入試と並ぶメジャーな入試形式になったAO入試。

その一方で、AO入試を受けるべきか否か迷う受験生も多いでしょう。

AO入試も、他の入試形式と同じく良い点と注意すべき点があります。

そこで今回は、AO入試のメリット・デメリットについて元予備校講師が教えます。

 

目次(もくじ)

1.AO入試のメリット

(1)受験のチャンスが増える

現在、多くの大学でAO入試を導入しています。

ということは、志望校に入るためのチャンスが広がっていると考えることができます。

AO入試・推薦入試・一般入試の全てを受験すると、大学によっては5回以上も受験することができます。

これは、「どうしてもこの大学に行きたい!」と志望校が明確に決まっている場合は大きなメリットといえるでしょう。

 

(2)進路を早く決定することができる

AO入試は8月~9月に出願し、おおむね12月までには決着がつきます。

センター試験を利用して学力を測る大学でも、1月には合否が判明します。

そのため、大学進学後の準備に十分な時間をとることができます。

 

(3)大学に熱意を伝えられる入試形式

AO入試では、受験生の自己PR(面接)を重視します。

調査書や小論文も重要ですが、面接を実施する場合は、どうしてこの大学に入りたいかを面接官である大学の教授に対して直接伝えることができます。

ペーパーテストではどんなに熱意があっても伝えられませんが、面接では違います。

推薦入試でも面接はありますが、なんといってもAO入試は「立候補」して自分をアピールするのですから、熱意の伝え方も異なります。

これはAO入試の大きなメリットと言えます。

 

(4)大学選びを真剣にすることができる

自分が受けたいと考えている大学なのだから、「一般入試でも大学選びは真剣だ!」という意見はもっともです。

しかし実際、一般入試では、入りたい大学よりも「入れる大学」を選ぶ学生もかなりいるのです。

最初に掲げていた志望校が学力不足により合格するのが難しいとなると、妥協に妥協を重ねて志望校のレベルを落としていくということが起きがちです。

 

一方、AO入試の場合、かなり早い段階から志望校を絞り込まなければなりません。

ほかの受験生がまだ部活動などに取り組んでいる6月くらいまでには志望校を絞り込んでおく必要があるのです。

この段階で志望校を絞り込めなければ、面接で相手に入りたい気持ちを伝えることはおぼつきません。

心に響く志望動機を磨き上げるためにも、大学選びを真剣にするよう迫られます。

志望校について突き詰めて考えることができるのは、AOならではのメリットでしょう。

2.AO入試のデメリット

(1)学力テストを実施しないこと

一時期、AO入試は学力テストを実施しないことがメリットであるかのような論調を見かけたことがあります。

しかし、これは大きな誤解だと考えています。

たしかに、AO入試は学力以外の能力を見極めることを重視しています。

しかし、各大学は学力不足の学生が欲しくてAO入試を行うわけではありません。

AO入試であれ、一般入試であれ、大学の授業についていける学力がないと大学側も困ってしまいます。

 

ですが、学力テストを受けずに済むという理由でAO入試を志望する学生がいることも確かです。

仮に、学力が不足している状態でAO入試に合格したとした場合、ほかの学生に輪をかけて必死に勉強しなければなりません。

せっかく大学に入っても、学力不足で単位が取得できなければ入学した意味がなくなるからです。

AO合格組は合格した後の数か月、大学進学後に困らない学力を独力で身につけねばならないのは大きなデメリットです。

 

(2)評価基準がはっきりしないこと

AO入試では、小論文試験・面接試験・集団討論試験などが行われることが多いです。

ですが、これらの試験に共通して言えるのは、ペーパーテストに比べてい採点基準・評価基準があいまいだということです。

たとえば面接試験の場合、複数の面接官がそれぞれ持ち点をもって評価することが多いですが、面接官によって評価基準が異なります。

そのため、

「これだけやったんだから、必ずこのくらいの点数にはなるだろう」

といった点数の読みが難しいのが実情です。

小論文は評価基準が比較的明確ですが、得点にはコツが必要です。

ましてや、集団討論の場合は同じグループのほかの受験生との関わりが影響するので、なおさら不透明です。

ペーパーテストに比べて、対策がしにくいことはデメリットと言わざるを得ません。

 

(3)不合格時のダメージが大きい

ペーパーテストに比べ、試験を受けた後に手ごたえを感じにくいということは、裏を返せば、発表の瞬間まで合格の希望を持ち続けることができるということです。

そして問題は、合格発表で不合格だったときです。

不合格という現実を突きつけられた時、すぐに気持ちを切り替えて一般入試や他の大学の入試に切り替えることができるかどうかは、AOを受けるかどうかの大事な判断基準です。

ダメージの大きさに、抜け殻のようになってしまえば、その他の入試の結果は言うに及ばずということになるでしょう。

 

まとめ

● AO入試のメリット

  • 受験チャンスの増加
  • 志望校を真剣に考える機会
  • 入試で熱意を伝えられる

● AO入試のデメリット

  • 評価基準があいまい
  • 落ちた時のダメージが大きい

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