ここでは、大学の学費を払えないときの対処法についてまとめています。
学費の未納入を続けていた場合、退学処分や除籍処分を受けるという最悪の事態になりかねません。
「来期の学費を払えない」「学費を滞納してしまった」と不安を感じている学生や親御さんは参考にしてください。
授業料を滞納している大学生は全体の0.4%
平成26年度の文部科学省の資料を見てみると、1年間の大学中途退学者は約8万人おり、そのうちの約2割の学生の退学理由は「経済的理由」となっています。
つまり、経済的な理由によって一年間で約1.6万人の大学生が中途退学しているということです。
また、一年間で約1.1万人の大学生(全体の0.4%)が授業料を滞納しているようです。
【PDF資料】学生の中途退学や休学等の状況について (文部科学省)
学費を払えないと退学処分になる可能性も
「(授業料納入のお願い)」⇒「督促状」⇒「(退学処分)」
国立大学と私立大学では学費未納入の場合の対応が異なるのですが、学費が未納の場合、一般的に「授業料納入のお願い」か「督促状」のどちらかが届きます。
●「授業料納入のお願い」
⇒内容「未納入分の授業料があるので、確認後すぐに納入してください。」
●「督促状」
⇒内容「このまま授業料が納入されない場合、退学処分や除籍処分になることもあります。」
督促状が送られてきた場合、そのまま授業料を納入しないと「退学処分」か「除籍処分」になる可能性があります。
「退学処分」であれば大学に在籍したという履歴は残りますし、履歴書には「●●大学 中退」と書くことが出来ます。
しかし「除籍処分」を受けてしまうと、そもそも大学に在籍したという履歴すら残らないですし、履歴書には「●●大学 除籍」と書くことになります。
除籍処分は「大学から追い出された」ということになるので、就職活動などで印象が最悪になります。
「納入のお願い」「督促状」のどちらかの書類が届いた場合、すぐに大学の学生課で学費について相談してください。
学費を払えない時の対処法
【1】自分が「授業料免除の対象者」に該当しないか確認する
【2】「学費納入期日の延長申請」をする
【3】学生課で「分割払い」について相談する
【4】大学の「特別貸付制度」について調べる
【5】日本政府の教育ローンを利用する
【6】銀行や民間の学生ローンを利用する
【7】休学する
【8】通信制大学に編入する
【1】自分が「授業料免除の対象者」に該当しないか確認する
勉学の成績が優秀な場合、授業料免除の対象になっている可能性があります。
「全額免除」ではなくても、「半額免除」「一部免除」に該当することもあります。
大学から受け取っている手引き(シラバス)を確認し、授業料免除の条件について確認しましょう。
【2】「学費納入期日の延長申請」をする
「納入期日の余裕がもう少しあれば、絶対に学費を払えるのに!」
こんな状況に陥ってしまった場合は、すぐに学費納入期日の延期申請をしましょう。
大学によっては学費を半年ごとに分けて納入したり、一ヶ月ほどの延長期間を設けることが出来ます。
各大学の公式HPをチェックして、まず学費納入期日の延期申請について詳しく確認しましょう。
【3】学生課で「分割払い」について相談する
「どうしてもまとまったお金が手に入らない」という場合、「授業料や滞納額の分割払い」を行うことができる大学もあります。
シラバスや大学の公式HPに「分割払い」についての言及がなかったとしても、学生課に問い合わせて聞いてみる価値はあります。
【4】大学の「特別貸付制度」について調べる
特別貸付制度とは、何かしらの理由によって「学納金の納入が困難」になった学生に対し、大学が一時的に貸付を行うことで学生の学業継続を援助する制度です。
民間業者からお金を借りるより安心できますし、金利も低いです。
自分の大学に「特別貸付制度」がないか確認しましょう。
【5】日本政府の教育ローンを利用する
教育ローンとして有名なものとして、100%政府出資で運営されている「日本政策金融公庫」の教育ローンがあります。
この教育ローンでは、学生一人につき最大350万円まで融資されます。
政府が運営しているので、民間業者に借りるより精神的に安心できるという方も多いと思います。
ただ教育ローンは「返済主が学生ではなく保護者である点」や「借りた翌月から返済が始まる点」などで奨学金と異なるので注意しましょう。
【6】銀行や民間の学生ローンを利用する
信用度の問題によって「日本政策金融公庫」の教育ローンを利用できない方は、銀行や民間の学生ローンを利用しましょう。
親族に銀行員がいれば、その方に相談してみるのも手です。
借金というとイメージが悪いかもしれませんが、「授業料を分割払いにするために学生ローンを利用する」と考えてみてください。
【7】休学して授業料を貯める
「どうしても学費納入分のお金を確保できない!」という時は、「休学」という手段を検討してみましょう。
「学費が確保できないから」とすぐに大学を辞めるのは非常に勿体無いです。
せっかく厳しい受験を勝ち抜いて大学に入学したわけですから、休学というカタチで学籍情報は残したまま「休学期間中に働いて学費を稼ぐ」という手段を検討してみてください。
ただし休学には「在学料」を納入しなければならないことが多いので、大学HPで休学に必要な費用を調べてみてください。
学費を払えないからと自棄にならず、冷静に休学という選択肢を考えてみてください。
参考:大学を辞めたい!と悩んでいる大学生が考えるべき3つのこと
【8】通信制大学に編入する
「大卒」というステータスが欲しいだけであれば、通信制大学へ編入学するという手段もあります。
通信制大学は正規の大学教育課程ですから、卒業すれば学位を取得できますし、通信制大学に編入学する際、前の大学で取得した単位を通信制大学の単位に変換することも出来ます。
すでに取得した単位を有効活用するという意味でも、通信制大学に編入学する意味はあります。
ただ私個人的には、通信制大学にわざわざ編入して卒業することに大きな価値はないと思っています。
大学の学生課・事務に相談することが重要!
学費をすぐに納入できないという方は、とにかく大学の学生課・事務の方に相談してみましょう。
大学の事務には学費に関するたくさんのお問い合わせが日々寄せられていますし、事務スタッフたちは学費に関するスペシャリストたちです。
相談することで思いもしなかった提案を得られることもありますし、何かしらの処置を提案してもらえる可能性もあります。
むしろ、大学の事務スタッフの方々が分からないことは誰に相談しても分かりません。
学費に関して困ったことがあれば、気軽に大学の事務に相談してみることを断然おすすめします。