専門学校と大学の違い|専門学校の側から詳しく説明します

専門学校と大学の違い|専門学校の側から詳しく説明します

私は大学と専門学校の両方で講師としてお仕事をしていますが、今回は専門学校と大学の違いについて専門学校の側から詳しく説明していきます。

大学と専門学校には多くの違いがありますが、これはそもそも進学目的が大きく異なるからです。

「大学は学問を学ぶために行くところ」

「専門学校は就職準備のために行くところ」

進学後に後悔しないためにも、しっかり両社の違いを把握しておきましょう。

スポンサーリンク
もんでん ひでこ

某大学非常勤講師。物理学担当。最新の大学の様子をお知らせします。
バリバリの理系なのに夫と娘は文系。なので文系の皆さんの参考にもなればいいなと思います。
2浪の末に大学に行って大学院まで卒業したのに、科学館勤務を経て今や漫画家も兼業中。

もんでん ひでこをフォローする

学校数と学生数の違い

学校数進学者
専門学校2817校約17万人
四年制大学777校約53万人

引用:文科省H29年度学校基本調査,引用②:数字で見る専修学校

授業内容の違い

医療系などの一部を除き、ほとんどの専門学校は2年で卒業して社会に出る事を目的としています。

2年しかありませんから、4年生大学で学ぶべきとされている「一般教養」の授業が大幅に割愛され、専門教育に特化した教育内容となっています。

もちろん、大学に比べると専門学校は学生数がはるかに少ないので、少数精鋭の教育です。

大学のように「大講義室で100人以上が一度に授業を受ける」なんてことはまずありません。

とにかく少数精鋭で実践的なスキルを磨くのが専門学校です。

 

また、専門学校では一般教養に割く時間がほとんどありません。

大学では、『一般教養』として学生の視野を広げるために外国語、第2外国語、体育などの科目はほぼ必須科目ですし、どの学部でも選択できる科目もあり、大学では専門以外のことも積極的に学ぶことができるのが特徴です。

たとえば、理学部生でも「憲法学」や「教育心理学」などを、文学部生でも「地球環境学」や「情報学」などを開講されていれば学ぶ事ができます。

しかし、専門学校は基本的に専門分野に特化してカリキュラムが組まれているのです。

例外として、社会人としての国語力のために「テクニカルライティング」「ビジネス文書技法」、「企画文書作成」など即戦力として活用できるスキルを学ぶ授業は開講されています。

 

学校生活の違い

多くの専門学校には、ちゃんと部活やサークル活動があります。

大学のような本格的な大学野球や箱根駅伝など華々しいものではありませんが、気の合う仲間が集まり、学校が終わったら借りた中学のグランドでナイターのサッカーをしたり、土日に河川敷で草野球をする学校もあります。

人気の種目は専門学校が集まって県大会を開くところもあります。

こうした専門学校の課外活動が大学ほど本格的にならない理由は、

  • 「2年で卒業なので経験の蓄積ができない点」
  • 「そもそも授業が忙しい点」

の2つにあると思います。

 

また、学生会活動を行うところもあります。

選挙をして会長を選出し、文化祭や体育祭を企画するなども大学生活とあまり変わりません。

ただ、大学の場合は学生自治会や学祭がほとんど自主的に行われ、大学側が口出しないのに対し、専門学校の場合、就職に向けて自主性やリーダーシップを発揮する機会として捉えられるということです。

つまり、これらの活動経験も就職する時の強力な武器になりますし、本人に自己アピールするように専門学校の教官がプッシュしてくれるのです。

スポンサーリンク

就職に対する意識の違い

専門学校の多くは、就職する学生の数が命です。

就職する学生をサポートするための授業をたくさんしているのも特徴です。

大学では、1年生の時に一般教養の単位を取得して、2、3年から専門科目の取得に入ります。

しかし、専門学校では1年生からすぐにガンガン専門教育が始まります。

2年しかないという事は入学して1年後には就職活動をしているわけですから、入学してたった1年間の間にできるだけスキルを磨く必要があるのです。

そのため、専門学校は入学と同時に就職を意識して動くことになります。

 

また、大学と大きく違うのは専門学校は資格取得のための授業が多いという事です。

情報系の専門学校であれば、ITパスポート取得講座、ワードエクセル検定講座など、ホテル系専門学校だとTOEIC検定講座などです。

就職に有利になるようにポートフォリオ(クリエイティブ系を中心に就職の時に自分をアピールするために用意する作品集、スキル一覧)の内容を充実させることにも先生方が協力してくれます。

ポートフォリオになりそうなデザインやゲームの課題を課してくれるし、それができたらちゃんと取っておきます。

デザインの宿題なども、「やってみただけ」なのではなく「希望する就職先の人に見てもらう」つもりで描きます。

そうして1年後にやってくる就職活動に備えます。

 

就職事情の違い

専門学校は「学生を即戦力として社会へ輩出すること」を使命として教育していますから、就職への熱の入れ用は大学の比ではありません。

数年前まで6割台だった大卒の就職率がやっと平均7割程度まで上がって来たのに対して、専門学校の就職率はここ数年8割以上でずっと高止まりしていることからも、専門学校の就職率が良いことがわかります。

大学の就職率がここ数年で上がって来たのは、大学自身も生き残りにやっと本腰を入れて来て、学生に対して早期のカウンセリングや自己分析、キャリアデザインなどの就職支援を積極的に行うようになったからです。

このように大学も頑張ってはいますが、専門学校ほどの業界との人脈やパイプを構築するには至っていないのが実情です。

 

専門学校では、ひとつの学校が専門とする学科が少ないため、地域の企業とのつながりを作りやすいというメリットがあります。

専門学校が地元企業を直接訪問することもありますし、卒業後にどのように働くことになるのかを就職先の上司に聞いて情報収集する機会も多いです。

この情報網が専門学校の強みであり、就職させておしまいではなく「離職率を減らす」という取り組みにもつながっています。

一方、大学はどうかというと、大学は理系から文系まで分野が多岐にわたるため、また卒業生の就職先が日本全国広範囲にわたるため、地域企業とのパイプだけに特化しづらいのが実情です。

「就職課」という窓口はあるのですが、大学に1つあるのが一般的ですべての学部を一手に担っていす。

つまり就職に関しては、大学は基本的に学生に丸投げ状態になってしまうのです。

専門学校が手厚く就職支援をできるのは、少数精鋭の職業訓練学校だからです。

ここまで書くと、「専門学校が就職に有利」と言われるカラクリが分かってもらえると思います。

ただ、その「就職するため」に日頃から言動や所作などを厳しく指導されるという苦労があるのも事実です。

スポンサーリンク

専門学校の方が大学よりも厳しい

近頃人気の医療事務系、はもちろん、観光系、IT系、介護関係の会社に就職するにしても大きな声ではっきりとご挨拶できることが大事ですから、職員室に入る時も大きな声で「◯◯学科◯年◯◯◯◯です、◯◯先生いらっしゃいますか!」と言ってから入室するように指導されます。

掃除が終わったら、掃除のチェックを担当教官にしてもらってOKが出ないとやり直しなど、職場への適応準備を徹底している学校もあります。

もちろん、服装の乱れ、派手な茶髪は入学と同時にNGです。(クリエイティブ系はゆるいかもしれませんが。)

学生が少ない分、教官の目も行き届きますが、悪く言えば逃げ場もありません。

大学は学問と言論の自由とその雰囲気を体感しに行くところですが、専門学校は就職準備をしに行くところなのです。

 

専門学校に向いている人、大学に向いている人

さて、こうなるとお分かりかと思いますが、向いているかどうかは、「高校卒業時に就職のイメージができ上がっているかどうか」です。

つまり、

「具体的な職種はもう少しあとで決めよう」派は大学へ

「なりたい自分がすでに決まっている」派は専門学校へ

というのが私のおすすめです。

学費は専門学校の授業料は国公立大学のほぼ倍額ありますが、修業年限を2年と考えると国公立大学4年間分とほぼ同額です。

実習が多いので、そのつど実費が必要になることもあるかと思いますが、学生のほとんどはスキマ時間でアルバイトして何とか捻出しているようです。

また、家庭の事情で財政的に厳しい場合は、各都道府県で用意している奨学金を紹介してくれる学校もあります。

特に人手不足が著しい介護分野では、卒業後介護の仕事に何年か就いていれば返還不要な奨学金を用意している自治体もありますので、これらを紹介してくれる専門学校もありますよ。

専門学校は1年間で就職したい企業を見つけ、さらにそれに見合った技能を習得しなくてはならないのですから、迷っているヒマすらありません。

専門学校に行くべきか、大学に行くべきか、自分に合っていると思う方を選びましょう。

スポンサーリンク

この記事を書いた人

もんでん ひでこ
もんでん ひでこ
某大学非常勤講師。物理学担当。最新の大学の様子をお知らせします。
バリバリの理系なのに夫と娘は文系。なので文系の皆さんの参考にもなればいいなと思います。
2浪の末に大学に行って大学院まで卒業したのに、科学館勤務を経て今や漫画家も兼業中。