ワーキングホリデーで海外滞在を考えている大学生に、現在大学を休学してオーストラリアにワーキングホリデーで来ている私の経験談を語ります。
●「ワーキングホリデーで語学力がどれほど伸びるのか」
●「英語ができなくても仕事は見つかるのか」
●「就活にどうやって活かすつもりなのか」
などなど、気になる疑問にお答えします!
ワーキングホリデーを選んだ理由
理由は以下の2つです。
● 英語力を伸ばしたかった
● 自由な選択をしてみたかった
まず英語力ですが、私は昔から「英語を話せるようになりたい!」という漠然とした欲望があって、ずっと語学留学をするのが夢でした。
しかし、
現実はそんなに甘くない。
ただでさえ奨学金を借りて大学に通っているのに、自分の拙い英語力で語学留学なんてできっこない!
と決めつけて、自分のお金だけで行けるワーキングホリデーという選択をしました。
後々調べてみると、私の成績と英語力で大学からの給与型奨学金付き交換留学に参加することができたらしいですが、もう後の祭りです。
もう1つの理由は、自由な選択をしたかったということですが、私は1年生の夏休みに富士山の山小屋でアルバイトをしていました。
そこで、季節ごとに仕事を転々としている人や、各国のワーキングホリデー制度を利用している人に出会いました。
というごく一般的な将来構想を描いていた私にとって、山小屋にいた人との出会いは非常に衝撃的なものでした。
そこで、私もワーキングホリデーの制度を利用して、社会のレールから一度外れてみようと決意したわけです。
そんなこんなで、2年生が終わった2018年3月から約一年間滞在する予定でオーストラリアに来ております。
なぜオーストラリアを選んだのか
ワーキングホリデーに行くと決めて、滞在先にオーストラリアに決めた理由は「人が優しい」というよく言われている迷信によってです。
「嘘でしょ」と思われそうですが、これは事実です。
実際、オーストラリアは本当に人がめちゃくちゃ優しいし、フレンドリーです。
ただ、イギリスや他国に滞在した経験がないので比較対象は無いですけど。(笑)
でも、それでもオーストラリアはとても住みやすい国だと思っています。
治安も日本と同じように安全ですし、夜中も十分遊び回れます。
携帯もお財布も無くしたら基本的には返ってきます。
オーストラリアに決める前は、「人がいい」という点でカナダと迷いました。
最終的にオーストラリアに決めた理由は、仕事の見つけやすさが一番の理由です。
オーストラリアは国自体が広大で、栄えている都市がシドニー、メルボルン、パース、ケアンズ、ゴールドコースト、といった具合にいくつかあり、仕事が見つかりやすいと思ったので、カナダではなくオーストラリアを選択しました。
都市でうまく仕事を見つけられなかった場合にも、農場や牧場で働くという選択肢も十分にあります。
選ばなければ必ず仕事が見つかる国、それがオーストラリアです。
非常にeasy goingな国です。
ちなみに、親日なので、日本人大好きな人がとても多い印象。
ワーホリ生活のスケジュール
まず3月~6月までの17週間はメルボルンの語学学校に通いました。
「英語力が伸びなければ仕事が見つからない」と思ったからです。
初めの一カ月はホームステイをしていて、フィリピン人のホストファミリーの家に滞在していました。
その後は自分で家を見つけて、ルームシェアをしていました。
オーストラリアは基本的に物価が高いので、日本とは違ってオージー(オーストラリア人)も含めほとんどの人がルームシェアをしています。
その間は、2カ月半ほどシティのナイトクラブでアルバイトをしていました。
そして、語学学校が終わったと同時にエアーズロックのある地域に移動し、現在進行形で、オーストラリアの旅行会社の日本語部署でガイドやツアーのヘルパーとして働いています。
渡航までにかかった費用
まず、ざっくりいうとおよそ130万円です。
- 4ヶ月の語学学校費(1カ月のホームステイ費も含む)62万円
- ビザ発給費:5万
- 航空券:5万
- 初めの4カ月の滞在費:60万
- 海外保険:20万
初めの4ヶ月、つまり語学学校に通っている期間はもともとバイトをするつもりはなかったので、バイトしなくても賄えるように貯金をしていきました
- 家賃:8万
- 食費:3万
- 交友費:5万
- 雑費:2万(携帯代・交通費)
語学学校を申し込んだエージェントからのアドバイスをもとに、上記のような想定を作りそれに合わせてお金を用意しました。
基本的には「自分ですべてお金を用意する」と意気込んで、一生懸命にバイトをしていました。
多い時期は3つのバイトを掛け持ちして、貯金計画を作って貯めていきました。
ただ、大学1年、2年とどちらも稼ぎが103万円を超えてしまい、税金は両親に払ってもらいました。
そして、最後の最後に20万円の保険料が賄えず、情けないですがそれも両親に払ってもらいました。
保険は「損害」や「治療」はもちろん一番高いものに入り、「飛行機の遅延費用」や「携行品損害」等の細かい保証もついているものを選びました。
保険は掛け捨てにはなりますが、やはり「何かが起こってから後悔しては遅い」ということで、両親と一緒に相談して払ってもらいました。
正直、ワーキングホリデーで仕事あるの?
先ほども言ったように、選ばなければ仕事はあります。
そして、英語が話せなくても働いている友達もいっぱいいます。
私はメルボルンにいた間は2カ月間ナイトクラブで働いていました。
お客さんの大半は日本人なので、英語が話せなくても大丈夫でした。
そして、今は旅行会社の日本語部署で働いているので、基本的に会話は日本語です。
こっちで稼ぎたかったら、やはり日本語を武器にすることです。
日本語の需要は確実にあります。
オーストラリアでは、日本語が話せるというのは大きなメリットになります。
ただし、これは「仕事を選ばなければ」という前提があります。
多くの日本人が、
- 日本食レストラン
- ハウスキーパー
- ナイトクラブ
- 工場
- ファーム
といった英語力がそれほど必要ないところで働いています。
このように英語が話せなくても働くことはできますが、英語がある程度は出来なければ職は選べないと考えてください。
恐らく、現地のレストランやバーで働くにはTOEICでいうと少なくとも800点くらいは必要かと思います。
そして読み書きができても、ここでは会話ができないと意味がないので、日本では基準の一つとなっているTOEICなどのスコアがあまり当てになりません。
日本語を使って仕事していたら、英語力が伸びないのではないか
はい、伸びません。
ただ、私がここで最も言いたいことは、
ということです。
- 海外にくれば英語力が伸びる
- 語学学校に通えば英語力が伸びる
と考えている人多いと思います。
正直に言いますが、英語圏に来たからといって英語力が伸びるわけではありません。
よく「ワーホリで来ると英語が伸びないんじゃないか」と心配する人がいますが、語学留学で学校に通っていても英語力が伸びない人は伸びません。
逆に言えば、ワーホリで短期間しか学校に行かなくても英語力を伸ばすことはできます。
現地の語学学校で全然努力していない人に比べると、日本で努力している人のほうが圧倒的に英語が話せるわけです。
つまり、語学力の向上に関しては、環境ではなく自分の頑張り次第ということです。
個人的には、オーストラリアに来たばかりの頃よりは、英語での会話が断然できるようになったと実感しています。
テストなどを受けてなくて数値化できていないので、どれくらい伸びたか伝わりにくいところですが。
少なくとも、初めの1ヶ月一緒に生活していたホストファミリーの家を出てから、2か月後くらいに再び彼らと会ったときに彼らが私の英語に非常にびっくりしていたのが印象的です。
「以前はこんなにベラベラ話さなかったのに!」と言われた時や、初対面のオージーに「数カ月の滞在でなんでそんなに話せるの?」と聞かれたときに自分の成長を実感しました。
それでも、自分はまだまだ十分に会話できず、非常にもどかしい思いをすることばかりです。
今は特にオーストラリアの会社なので、周りはネイティブばかりで会話に取り残されることも多々あります。
何を言っているのか聞き取るのに毎日必死で、自分が嫌になることばかりです。
日本語の部署で働いてはいますが、そのほかのスタッフは全員ネイティブです。
- 「ラジオでドライバーと話したり」
- 「英語のオフィスに電話で確認したり」
- 「空港のスタッフと大事なやり取りをしたり」
- 「ホテルにお客さんの情報を聞いたり」
英語でスタッフが言っていることがわからないと、非常にピンチな状態に陥るわけです。
そして、まだたまにピンチな状態になることがあります(笑)
ただ、私はオーストラリアの会社でネイティブと働けているのがとても幸運だと思っています。
ほとんどのワーホリ勢は、オーストラリアに来てもネイティブと働く機会すらないのではないかと思います。
私は今、ネイティブと働けているだけでなく、オーストラリアの会社の手厚い休暇制度や給与補償の充実も体感しています。
もちろん仕事を得るにはタイミングが大事ですが、英語力の向上というのは大前提だと思います。
オーストラリアと言えば稼げるイメージですが、実際は?
確かに、オーストラリアの最賃金は18ドルちょっと、日本でいうと1500円近くになります。
そして、年齢や雇用期間によって給料は上がっていきますので、日本と単純に時給を比較すると確かに高く感じます。
ただ、その分物価も高いです!
家賃や食費、交友費が高くつきます。
なので、トントンですかね。
そして、もう一つ注意しなければならないのは、違法賃金で働かせる飲食店やファームがたくさんあるということです!
私もメルボルンでナイトクラブのバイトをしていた時は、オーナーが日本人で給料は13ドルでした。
これは違法ですが、ほとんどの留学生・ワーホリは最低賃金をもらっていません。
シティで最低賃金をもらっているほうが珍しいくらいです。
今はオーストラリアの会社で22.5ドルですし、しかもフルタイムで契約しているため3ヶ月で100万ほど貯めることができましたが、思い通りにお金を貯められないワーホリ勢が私の周りにはたくさんいます。
というか、ほとんどの人がそうです。
特に英語ができないと基本的にオージーのオーナーのもとで働くことは難しいため、最低賃金以下で働く可能性が非常に高いです。
まとめ
ここにきて、私の目的の一つであった「自由な選択をする」ということは達成されています。
また、自由な選択をして生きている人が周りに沢山います。
日本と違って、「こうしなければいけない」という空気や固定概念がないのでとても新鮮です。
休みもたくさん取れるので、働くときと遊ぶ時のメリハリがついていて、みんなとても自由を享受している姿が印象的です。
来年は復学して就活生になるわけですが、これが就活に不利になるかどうか私にはわかりません。
しかし、少なくとも、
と思っています。
私は、ただ自分のやりたかったことを自分でお金を貯めて実現させているだけです。
そのせいで同級生と1年差ができてしまうことなんて、特に何とも思っていません。
そして、こっちに来てから自由に生きることの魅力も感じますが、その分の苦労や自分の性格と合わないことなどもたくさん感じています。
「みんな海外に飛び出して広い世界を見たほうがいい!!」なんて極端なことは言いません。
しかし、「海外に興味がある、気になっている」という人は、後悔する前に、少し無理してでも、周りにお世話になってでも、行動してみるといいと私は思います。
苦労した分だけ、きっと大きな財産になると私は信じています。