予備校と塾の違い|大学受験向きなのはどっち?講師が教えます

予備校と塾の違いとは?|予備校講師が分かりやすく説明します

多くの学生さんは、中学受験や高校受験のために学習塾に通った経験があるかと思います。

入塾しなくても、講習会だけ参加したという人も多いことでしょう。

それに比べると、予備校というものはそんなになじみ深くはないかもしれません。

それもそのはず、本来、予備校は大学受験に特化したものだからです。

とはいっても、現実には「〇〇予備校」という名称で中身は「学習塾」というケースもありますから、ちょっとややこしいですよね。

そこで今回は、塾と予備校の違いを把握しつつ、大学受験ではどのように塾や予備校を利用したほうが良いかについて予備校講師として解説します。

 

目次(もくじ)

1.学習塾とは何か

学習塾とは、学校教育の補修や入学試験準備のための教育を行う私塾のことです。

そして、ここには以下の2つの意味が含まれています。

学習塾-補習塾-進学塾

補習塾

1つ目は、学校の授業についていくための「補習塾」です。

これは、学校の授業内容に従って授業を行い、分からない部分を一緒に解決します。

つまり、学校の授業を補完する塾ということです。

授業内容は、教科書や学校で使っている参考書・問題集を重点的に扱います。

授業のレベルは、進学塾に比べると易しいのが基本です。

 

進学塾

2つ目は、入学試験に対応するための「進学塾」です。

これは、学校の授業内容や進み方よりも、入学試験で出題される内容を重点的に扱う塾です。

私たちが一般的に塾としてイメージするのは、この「進学塾」でしょう。

入学試験への合格を目指して授業を行いますから、授業のレベルは補習塾に比べると厳しいのが基本です。

 

2.予備校とは何か

予備校とは、特に大学の入学試験のための指導を行う学校のことです。

こちらは、完全に大学入試に特化した内容であることがうかがえます。

大学合格を達成するための独自のカリキュラムを編成しており、模擬試験や進路指導なども大学入試に特化しています。

ニュースなどで大手予備校として紹介される「河合塾」、「駿台予備校」「代々木ゼミナール」などは典型的な予備校です。

 

3.予備校と塾の違い

つまり、予備校と塾の違いを分かりやすく説明すると、このようになります。

予備校と学習塾の違い

授業レベル目的対象
補習塾基本~中級学校の授業の復習小学生~高校生
進学塾中級~難関志望校合格小学生~大学受験生
予備校中級~難関志望大学の合格大学受験生のみ

4.学習塾から大学合格を目指す場合

学習塾のメリット

学習塾のメリット:長く通っている塾では、少ないストレスで受験勉強を続けることができる。

補習塾や進学塾など多くの学習塾の場合、小学生・中学生から通っている学習塾に高校入学後もそのまま通塾する学生は多いです。

この場合、通いなれた環境でコミュニケーションをすでに取れている講師たちとともに大学受験に向かうことができます。

自分のペースを崩すことなく、大学受験に挑むことができるでしょう。

特に講師たちと円滑にコミュニケーションを取ることは、大学受験を勝ち抜くにはとても大切です。

自分の分からないことを気軽に講師に質問することができるのであれば、時間を大きく節約することができます。

 

学習塾のデメリット

学習塾のデメリット:大学受験についてのノウハウを持つ講師が少ない。

学習塾のデメリットは、講師によっては大学受験のノウハウが少ないということです。

中学校入試や高校入試と異なり、大学入試は受験が全国区です。

地域限定のいわば「地区予選」といってもよい高校入試と、全国どこでも受験可能な大学入試では、「志望校の選び方」や「受験校の組み合わせ」、「最新の動向変化」など異なることが多いのです。

学習塾の講師の多くは、大学受験生だけでなく小中学生の指導も行っています。

学習塾の講師の中で、大学入試の最新の動向を把握して対策を練ることが出来る人は少数派です。

 

5.予備校から大学合格を目指す場合

予備校のメリット

予備校のメリット:すべてが大学受験に特化している。

予備校は、大学合格を目指すために特化した組織です。

授業内容・模擬試験・進路指導の全てが大学受験に特化しています。

これは、大学受験生たちが予備校を選択する上で大きなメリットです。

指導する側もその道のプロですから、各大学の動向やセンター試験の特性について十分以上に把握しています。

いかに効率よく試験を突破するかという技術は一日の長があるでしょう。

 

予備校のデメリット

予備校のデメリット:講師とのコミュニケーション不足の可能性

しかし、予備校の講師は大学受験のプロであるがゆえにデメリットもあります。

彼らの多くは講義時間に対して給料をもらっていますから、専任講師でもない限り、授業が終わったらすぐに帰ってしまったり他の場所で教えたりしています。

ですから、生徒が講師に質問するタイミングがとても難しいのです。

これは、映像授業の予備校であっても同じことが言えます。

どんなに分かりやすい教え方をしても、疑問点は必ず出てきます。

むしろ、しっかり勉強していればしているほど、納得できない部分や分からない部分が出てくるものです。

そうした時に、身近に質問できる講師がいないというのはデメリットと言わざるを得ません。

 

6.予備校と学習塾、結局どちらを選べばいいの?

学習塾と予備校、どちらも一長一短があります。

その上で、大学受験のために通う予備校・学習塾はどのように選択すればよいのかと迷ってしまうでしょう。

私なりのアドバイスとしては、自分の目指す志望校のレベルに応じて塾と予備校をうまく使い分けるのがベストだと言えます。

高校在学中であれば、

普段の授業内容の復習は学習塾で行う。

大学受験対策は予備校の夏期講習会で行う。

進路情報は学校の進路指導の先生方に相談する。

という風に、使い分けることができます。

もちろん、学習塾に通っていない場合は学校の先生に聞いてもよいでしょう。

しかし、目標とする志望校のレベルが高くなればなるほど、このやり方では不十分になります。

ハイレベル私大や旧帝大、医学部医学科などを目標とするなら、専門的な指導やアドバイスのノウハウを持っている予備校に通うが最も望ましいです。

自分が目指す大学、必要な情報や授業レベルを考慮して、予備校に通うか学習塾に通うかをあなた自身が選びましょう。

 

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