今回は、法律事務所で事務のアルバイトをした経験を語ります。
私は丸の内にある大手法律事務所で、大学1年生の11月~2年生の2月まで1年3か月ほどアルバイトをしていました。
私自身は法学部に所属しているものの、専門は国際政治であり、特に第二次世界大戦の戦争観を扱っていますので法学の勉強は一切しておりません。
そして、法律や弁護士に関する興味も現時点では全くありません(笑)
そんな私が、なぜ、どのような経緯で法律事務所で働き、その経験がどういったメリットをもたらしたのかということまで語りたいと思います。
法律事務所のアルバイトに出会った経緯
私が働いていた法律事務所は、弁護士、外国弁護士、司法書士、行政書士の先生が250人以上、秘書さんや派遣スタッフなども含めて約600人ほどが働いている大きな事務所でした。
ここで働くことになったきっかけは、知り合いの方が誘ってくれたことです。
1年生の11月にはすでに塾でのバイトをしていましたが、常に「色々な職場で働いてみたい」という欲求がありました。
そして、自分のFacebook内で
という内容の投稿をしたわけです。
すると、インラインスケートつながりの知り合いの方からお誘いがあり、法律事務所で事務(という名の雑用)のアルバイトをすることになりました。
私は趣味でインラインスケートをやっており、Facebook上のグループを通じて練習会やシティランなどに参加し、様々な職種の大人たちに出会っていました。
練習会で出会ってスケートを教わったり、食事に行ったりする中で仲の良い人ができたりするわけですが、この時はそれが良い方向に転がったというわけです。
法律事務所でのアルバイトの労働事情
東京であれば、いたって普通の時給です。
何なら、丸の内という立地を考えると少し安いくらいの条件ですね。
ただ、大学が飯田橋にあり、事務所は東京駅だったので、アクセスはよかったです。
実家からも30分ちょっとで行くことができるので、特に不満はありませんでした。
事務所は、昼間と夜間の雑用で学生アルバイトを数人雇っていまして、私はナイトスタッフサポートという形で、週に一回16時~22時の間で働いていました。
学生アルバイトの中には、そのまま秘書さんとして就職していく人も数人いました。
当時、私は毛先が金髪に染まっていたので、それはさすがに毎回お団子して隠しながら、そして両耳に開いている6個のピアスもつけずに真面目に働いていました。
たまに赤いスニーカーとか履いていきましたが、服装も基本的には小奇麗な格好をして、絶対にバイトの日は古着なんか着ませんでした!
オフィスに馴染めるように、ユニクロのタートルネック着ていました(笑)
仕事内容
気になる仕事内容ですが、基本的に事務所内の雑用係です。
学生アルバイトですから、法律事務所にいたって大した仕事ができるわけではないです。
・来客対応(お客さんを会議室に通して、お茶出し、先生に連絡)
・会議室片付け、洗い物
・FAX配布
・メール処理
・シュレッダー
・郵便局へのお使い
こんな感じで本当にひたすら雑用です。
このように仕事内容を並べるとただの雑用一覧表に見えてしまいますが、一つ一つの業務内容は意外と細かいです。
特にFAX配布なんかは、かなり重要な内容の書類が何百枚と送られてきますから、それを管理して先生に絶対に渡されるようにしないといけません。
そのため、様々なケースに備えて細かいルールが決まっていて、それを確実に遂行しないといけないのです。
しかも、法律事務所のフロアが、5階、7階、8階、9階と4フロアにわたっていたため、FAXの配布が面倒くさかったです。
中には、「書類で届いたFAXを再びPDFにしてメールに添付してほしい」というデジタル派の若い先生もいましたね。
また、シュレッダー作業では、段ボール6個の書類のまとまりを処理するケースもありました。
やっぱり事務所が大きいだけあって、雑用のスケールも大きいですね。
だからこそ、雑用の部分は学生アルバイトで回しているんだと思います。
そんなこんなで、週に6時間の雑用のアルバイトを法律事務所にて行うという生活を1年以上やっておりました。
特に弁護士に興味があったわけでもないですが。
学べたこと
まずは単純にメール処理を学べました。
それまで、ビジネスメールを一切送った経験がなかったので、メールをこの機会に学べたのはよかったと思います。
弁護士の先生や秘書さんにメールを送る機会が結構ありました。
また、大きい会社で働いたことがなかったので、行き届いた教育システムにもびっくりしました。
今まで「見て覚えろ!」というスポーツ根性溢れるアルバイトばっかりしていたので、他のスタッフさんに出来るまできちんと教育してもらえるというのは新鮮でした。
法律事務所でアルバイトをする意味
「法律事務所でバイトしていました」と言うと、よく「凄いね!」と言われることがあります。
なぜすごいのでしょうか、何がすごいのでしょうか。
この記事を読んでいる大学生の中には、「大手法律事務所でバイト」というネームバリューに惹かれている人がいると思います。
「大手法律事務所でアルバイト経験がある」という経歴が欲しい、と思っている大学生って多分いると思うんです。
しかし、はっきり言いますが、名前だけの経歴は全く意味が無いと思います。
私の場合、法律事務所でバイトをしていたといっても、仕事内容はほぼ雑用です。
私でなくても十分務まります。
正直、あまりにもつまらなかったので1年経つ前に辞めようと思っていました。
辞めようと決意していましたが、紹介してもらって働いている手前、簡単には辞めると伝えられなかった期間がありました。
法律事務所でアルバイトをしたい!と考えている方の多くは「志が高い方」だと思いますが、実際のアルバイト内容はこんなものです。
「法曹系に進みたいから法律事務所でアルバイトだ!」と考えている方は、事務所選び、そもそも法律事務所でアルバイトをすることについて、よく考えたほうがいいでしょう。
どんなアルバイトも取り組み方次第
私は法事務所を辞めると決めてからは「すべての仕事が最後になるんだ」と思って、改めて丁寧に仕事をしてみると、今までただの雑用だった作業に段々とこだわりや気持ちが入り始めました。
ただの雑用でも、需要があるからこのポジションのスタッフがいるわけです。
そして、この恩恵を受けている人が必ずいます。
そうやって、誰にでもできる仕事を前向きに捉え直して、結局はオーストラリアに旅立つギリギリまでバイトを続けました。
私は、「法律事務所でアルバイトをしていました」という経歴自体に価値があるとは全く思っていません。
ビジネスメールが学べたっていったって、そんなもの会社に入ればいくらでも誰だって学わけですから、特段メリットでもないと思います。
ただ、「誰にでもできる退屈な仕事」という捉え方から、自分の取り組み方法を変えたことで、仕事に対してこだわりや責任をもって取り組めるようになったという学びに関しては、価値があったと思います。
大きい組織に入ったからといって、何か素晴らしいことを学べるとは限りません。
どんな環境であっても、気づき→内省→行動のプロセスが重要なのだと思います。
法律事務所の求人を探すには
ここまで読んで「それでも法律事務所で働いてみたい!」という方は、大手の求人サイトで「法律事務所」を検索することをおすすめします。
法律事務所のアルバイトは、あまり特別なものではありません。
実際、多くの大学生が事務所で働いています。
興味がある方は、ぜひトライしてみてください。