小学校・中学校までは友達がいたのに、高校に入ったらいつの間にか一人ぼっち。
あるいは、みんなと一緒に行動することが苦手で距離を置いているうちに仲良しの友達がいなくなってしまった。
部活動のトラブルが原因で、人とコミュニケーションをとることが苦手で孤立してしまった。
友達がいないといっても原因はさまざまです。
今回は、さまざまな理由で「一人ぼっち」になっている高校生へのアドバイスを考えてみました。
- 「今の自分(雰囲気・清潔感)を客観的に見て、必要があれば変わる努力をすること」
- 「自分と相性が良さそうな人を探し、積極的に継続的に声をかけること」
- 「相手に対して関心を持ち、自分にも興味を持ってもらう努力をすること」
- 「自分の行動や課題を分析し、常に改善を模索すること」
一人ぼっちは2種類ある
予備校や塾の講師から見て、一人ぼっちの学生には2つのパターンがありました。
一つは「受動的一人ぼっち」です。
本来は誰かと触れ合っていたいのに、何らかの原因で一人ぼっちでいる学生です。
周囲と関わるのがそもそも苦手だというタイプに多いです。
- 「クラスに知り合いはいるけど友達がいない」
- 「周りから注目されていない」
というタイプの学生です。
孤独そのものか、孤独である自分に対して不安を感じてしまうのがこのタイプです。
もう一つのパターンは、「能動的一人ぼっち」です。
誰かと触れ合うことをそれほど重要と考えておらず、積極的に自分から周りと仲良くなろうとしないタイプの学生がこれに該当します。
- 「学校や塾は勉強する場でしょ」
- 「高校で友達と慣れ合うつもりはない」
というタイプの学生です。
”孤独”というよりも、”孤高”と言えるのがこのタイプです。
能動的一人ぼっちの場合
能動的一人ぼっちの学生は、あえて一人を選んでいます。
その場合、自分の中での孤独への葛藤は大きくないでしょう。
今まで私が講師として見てきた能動的一人ぼっちの学生は、「彼らなりの目的」があるように見えました。
高校ではなく予備校でのことですが、私が担当した女子学生は周囲と全く私語をせず、黙々と勉強したり休憩をとったりしていました。
同じ高校の出身者に聞くと、彼女は高校時代はバドミントン部で活発だったそうでしたが、彼女自身は「合格するために予備校に来たのであって、友達と遊ぶためではない」と言い切っていました。
こんな風に目標を持っている場合、一人ぼっちであることを何ら気にする必要はありません。
周囲からの「みんなと仲良く」という「外圧」がストレスになるかもしれませんが、自分の意志を貫きましょう。
受動的一人ぼっちの場合
受動的一人ぼっちの場合は、「本当は仲間に入りたい」「一緒に仲良くなりたい」という気持ちがある学生が多かったように思います。
高校で非常勤講師をしていた頃、ある学生が質問に来た後で、一人ぼっちのことについて相談をしてきました。
特に一番のストレスが、お昼休みにご飯を食べるときだといいました。
周りでわいわい楽しそうに食べているのに、自分一人だけ教室の片隅で黙々と食べ、残りの時間を図書室などで過ごしているとも教えてくれました。
友達を作ろうと思っても、どうやればいいのかわからないと思い悩んでいたことを覚えています。
その時にしたアドバイスは次の通りでした。
(1)何か一緒の作業をしてみよう
(2)何かを教えてもらおう
(3)誰かが困っているときに、声をかけて助けてあげよう
まず一つ目の「何かの作業をしてみよう」というのは、学校では文化祭をはじめとしてみんなで何かをする機会があります。
その時に、「何かできることはある?」とグループなり、チームなりで動いている人に話しかけるのです。
そうすると、問いかけられた側も「協力する意思」はあると認識してくれ、場合によっては仕事をくれるかもしれません。
同じ釜の飯を食うという言葉がありますが、一緒に何かをすることはとても大事なことです。
次に、「何かを教えてもらおうとする」こと。
勉強でも、趣味でも、何でもいいので相手が得意そうなことを教えてもらうということもありでしょう。
その時は、教えてもらったお礼を必ずすること。
ジュース1本でも、お菓子一個でも感謝の気持ちを形にすることが大切です。
3つ目は、「積極的に周りを助けてあげる」ことです。
教えてもらうことだけではなく、誰かに助けてもらったときも同じです。
機会があれば、困っている相手を助けてあげましょう。
お互いに助け合うことで、信頼関係が生まれるのです。
友達付き合いには我慢が必要
友達と会話したり、カラオケに遊びに行ったり、これらのことは一般的には”楽しいこと”として認識されていますが、実際、すべての人が友達付き合いを楽しめるかといえばそうではありません。
というタイプの方もたくさんいます。
このようなタイプの方が無理に周りに合わせて「自分と相性の良くない友達」を作ろうとする場合、精神的にとても疲れてしまうでしょう。
正直、無理に友達を求める必要はないと感じます。
しかし、「自分はあまりみんなでワイワイするのが好きではないけど、やっぱり友達が欲しい」というのであれば、ある程度の人付き合いの我慢を覚悟しましょう。
高校という枠に限らず、人付き合いには「我慢するべきこと」がたくさんあります。
中には、自分の考えや信念を抑えてでも周りに同調するべき時もあります。
しかし、この我慢を通して人付き合いの面白さを感じることもあるのです。
自分とは違う価値観、自分一人では絶対にしないであろう行動、人と一緒に遊ぶこと、友達付き合いを通じてしか学べないことはたくさんあります。
「一人になるのはいつでも出来る」と考えて、多少の我慢を受け入れると友達付き合いがうまくいくかと思います。
結局、友達を作る「正しい方法」はない
「友達を作る方法〇選~」といったサイトは、ネットで検索すれば見つかると思います。
しかし、それを実践すれば必ず友達ができるわけではありません。
仲良くなりたいと思ったら、
- 「今の自分(雰囲気・清潔感)を客観的に見て、必要があれば変わる努力をすること」
- 「自分と相性が良さそうな人を探し、積極的に継続的に声をかけること」
- 「相手に対して関心を持ち、自分にも興味を持ってもらう努力をすること」
- 「自分の行動や課題を分析し、常に改善を模索すること」
が大事です。
そして最初から自分に関心を持ってもらおうと売り込むよりも、自分が相手のことを知りたいと思い関心を持ちましょう。
すると、相手が何をしたら喜び、相手が何をしたら嫌がるかが見えてきます。
人間観察と行動に移すためのほんの少しの勇気、これが高校生活で友達を作る秘訣です。
そして、この能力は高校を卒業してからも重要になってきます。
友達付き合いのコツは、友達付き合いの中でしか見つけることができません。
「今のままでは友達なんて出来そうにない」と思うのであれば、自分か環境を変えるしかありません。
環境は簡単には変えられないでしょうから、頑張って自分を少しずつ変えるという選択がもっとも近道でしょう。
常にトライ&エラーを繰り返しながら「計画⇒実行⇒分析⇒改善」を実行し、理想の自分に近づく努力を続けましょう。