志望校を決定し、公募推薦の準備を整えつつも頭の中では「落ちたらどうしよう」という気持ちはなかなかぬぐえないものですよね。
今回は公募推薦で不合格になった時にどうするべきか、また不合格になっても慌てないために必要な準備とは何かについて説明していきます。
簡単にまとめると、「公募推薦はあくまでボーナスステージであり、大学入試のメインは一般入試である」ということになります。
指定校推薦と公募推薦の違い
推薦と一口にいっても、指定校推薦と公募推薦とでは合格率に大きな違いがあります。
大学が高校を信頼し、高校に対して推薦枠を与えている指定校推薦は、ほとんど100%に近い合格率です。
高校が学校の代表として連帯保証人になってくれているからです。
一方、公募推薦では高校は推薦までしますが、指定校推薦ほど責任を持ってはくれません。
したがって、合格率は倍率によって大きく変わります。
公募推薦の合格率
2018年4月に旺文社が発表した入試動向分析によれば、国立大の倍率が2.5倍、公立大学の倍率が2.3倍です。
割合でいうなら30から40%ということです。
そして私立大学の公募推薦全体での倍率は3.3倍で、合格率はおよそ30%です。
一般入試よりも低いとはいえ、決して高い合格率とは言えません。
つまり、公募推薦を受験する場合は不合格も十分想定に入れる必要があるということです。
不合格になった時にすぐにとるべき行動
推薦入試の合否は11月~12月には判明します。
もし結果が不合格だった場合は、すぐさま一般受験に気持ちを切り替えることが必要です。
「不合格になってから何かをする」というよりも、不合格という事態を受け止めることが大事です。
もっともやってはいけない行動は、ショックのあまり硬直してしまい、何もせずに日々を過ごしてしまうことです。
倍率から考えても推薦入試はボーナスステージです。
不合格になったからといってその年の受験の全てが失敗に終わるわけではありません。
いかに早く立ち上がって一般受験のステージに戻るかが重要なのです。
繰り返しますが、気持ちの切り替え・立て直しが最も大事なことなのです。
不合格確定後のスケジュール
公募推薦で不合格だったとき、センター利用(制度変更後は共通テストになると思いますが)をするかどうかは重要です。
センター試験は1月の中旬から下旬にかけて実施されます。
それまでに受けてきた模擬試験の結果などから、センター試験を受けるべきかを考えます。
国公立大学やセンター利用私大を受験する場合は、自動的に受験が決定します。
また、志望校が私立大学で、センター試験を必要としない学部・学科だった場合は、その大学の一般受験に向けて最後の追い込みをかけることです。
一般受験のピークは2月上旬です。
どちらにしても、公募推薦の合否判明から1~2か月しかありません。
やっぱり大事な志望校設定
ここで大事になってくるのが、公募推薦出願前の志望校設定です。
公募推薦を受けると決めるとき、出願校を絞り込むために大学のパンフレットなどを取り寄せているはずです。
また、それまでに受けた模擬試験の結果などから自分の学力が大体わかっていると思います。
それらの結果から、第一志望の大学・学部・学科だけではなく、第二志望・第三志望まで決めておくことが、事態をスムーズに進めるコツです。
公募推薦を受けるくらいですから、その大学は第一志望だと思います。
特に、国公立大学の公募推薦の大半は合格したら必ず入学しなければならない専願です。
公募推薦で不合格だった場合、センター試験を経て国公立大学前期試験、あるいは一般試験で受けるのはどの大学か、公募推薦に出願する前に併願校までかためておくことがとても大事なのです。
決め打ちは危ないのでやめよう
私が予備校で勤めていた時にたまにいたのが「〇〇大学しか行きたくないから、第二志望以下は決めません」という学生です。
確かに、気持ちはよくわかります。
予備校生なら1浪してまで受験勉強しているから妥協したくない、そう思うのも無理からぬことです。
また、現役生であっても志望校を妥協したくない気持ちは同じだと思います。
それでも、あえて言いたいのは「第一志望だけでいいのは、家族が同意しているときだけだよ」ということです。
大学生活はお金がかかります。
それに備えて、保護者の方は資金繰りをしているはずです。
しかし、浪人となると想定外の出費が出ます。
そうしたことについて、家族でしっかりと話し合ったうえでなければ、安易な決め打ちはトラブルのもとです。
実際、学びたい学問分野や取得したい資格によっては、第一志望でも、第二志望以下でもあまり大きな差はないこともあります。
大学の名前やブランドだけにこだわって志望校の選択肢を狭めている人ほど、土壇場になって慌ててしまうことが多かったです。
不合格という現実に直面した時、慌てず、騒がず行動するためには、併願校までしっかり視野に入れた受験計画を立てておくことが最も大事なのです。