少子化が進むことで大学同士の競争が激しくなりました。
各大学は自校の特色を受験生に伝えるために積極的に個性を出したオープンキャンパスを開催しており、オープンキャンパスと一口に言っても今と昔では大きく様変わりしています。
特に最も大きい変化は、保護者のオープンキャンパスへの参加率が上がっていることでしょう。
今回は、オープンキャンパスに保護者と参加するメリットと注意点について、予備校講師の経験を活かしてお話していきたいと思います。
元予備校講師の営業マンです。
高校の非常勤講師、学習塾・予備校の講師の経験を活かして大学受験に関する記事を執筆しています。
保護者と一緒にオープンキャンパスに参加する学生の割合
平成29年に旺文社教育情報センターが460人の高校生(浪人生含む)を対象に行った調査によると、保護者と一緒にオープンキャンパスに参加した学生は52.9%だったそうです。
この質問の結果から、「保護者と友達」と一緒にオープンキャンパスに参加している学生も多いことが分かりますね。
また、この調査の別の質問で「自分からすすんで(オープンキャンパスに行った)」を選んだ学生が83.2%と大半を占めていることから、学生の側から保護者をオープンキャンパスに誘うというパターンが多いと考えられます。
オープンキャンパスに保護者同伴で参加するメリット
(1)同じ体験を共有できる
保護者の方が大学受験をしていた20年近く前と現在とでは、受験を取り巻く環境が大きく変化しています。
家庭で進路について話し合いをしても、受験生と保護者の考え方や認識がずれていて話し合いがうまくいかないことが少なくありません。
そんな時、受験生本人と保護者の方が同じ経験をすることは大きな意味を持ちます。
共通の体験や話題があれば、話し合いの環境が良くなり妥協点を見出しやすくなります。
実際、オープンキャンパスに参加した保護者の方から「私たちの頃と随分と違いますね。」といった話をいただいたこともあります。
進路についての話し合いをスムーズに行うきっかけになるのは、オープンキャンパスに保護者同伴で行く大きなメリットだと言えるでしょう。
(2)学生とは違う目線でのアドバイスを得られる
受験生本人は、高校生または浪人生であり社会経験がありません。
そのため、どうしても学校中心の目線になってしまいがちです。
しかし一方、保護者の方はおおむね学生よりも視野が広いです。
「通学環境」や「学費」などは学生本人だと分かりにくいことも多いでしょう。
そういった面での大人のアドバイスは学生にとってとても参考になります。
特に学費については、進路決定の時にも大事なポイントです。
場合によっては、質疑応答のコーナーなどで大学側に質問してもらうのも一つの方法です。
また、就職面でのサポートや実績などについても大人の目線からアドバイスをもらうことができます。
学生ではわかりにくいお金などの問題について、保護者にサポートしてもらうのはとても心強いことです。
(3)入学したいという自分の希望を保護者にアピールする場になる
オープンキャンパスは大学が受験生にアピールする場であると同時に、受験生本人が保護者に対して「どうしてもこの大学に入りたいから協力してほしい」とやる気をアピールする絶好の場です。
大学の門をくぐり、一緒にカリキュラムについて説明を受け、大学内の設備を見学したり利用したりすることで大学進学後の具体的な姿を想像してもらう。
そうした経験を経ることで、保護者の方があなたの希望に賛同してくれる確率を上げることができるでしょう。
誰しも、見たこともないよく分からない大学よりは、オープンキャンパスで実際に目で見たことがある大学の方に親しみを感じることが多いのです。
保護者同伴でオーキャンに参加するときの注意点
(1)学生が単独行動しにくい
保護者同伴で参加した場合、どうしても学生は保護者とセットで動くことになりがちです。
そうすると、当初の予定にない学部や見てみたい場所があっても自由に動き回りにくくなってしまいます。
また、ほかの人と一緒に行動することが苦手な人にとっては、オープンキャンパスの内容よりも「親と一緒で気まずい」という気持ちが先に立ってしまうかもしれません。
自由に動き回りたい人は本人だけの参加の方がよいでしょう。
(2)保護者の意見に引きずられやすくなる
皆さん方に自分の考えがあるように、保護者の方にもそれなりにお考えがあります。
保護者によっては「自分はこう思う」という主張が強い方もいるでしょう。
オープンキャンパスの最中や参加後に「〇〇だから、こうするべきでは?」といった保護者の方の考えにあなたが引きずられやすくなるかもしれません。
また、オープンキャンパスに参加したことで保護者の方が「この学校は辞めておきなさい」と強烈に反対するようになってしまうことも考えられなくはありません。
結局、保護者はおまけ
進学について大人の意見を聞くことはとても参考です。
しかし、その意見に引きずられすぎてはいけません。
保護者であれ、学校の先生であれ、友達であれ、他者の意見はあくまで「参考意見」です。
必ずしも従う必要なんて無いのです。
最終的に志望校を決定するのはあなた自身です。
ほかの人に県に引きずられた挙句、
「本当は〇〇だったのに、Aさんの意見を聞いてしまったからとても後悔している」などというのは考え物です。
オープンキャンパスに保護者と一緒に参加する場合は、メリットを最大限に生かしましょう。
その際に出てくる第三者の意見は自分の意思を決定する参考材料としましょう。