「浪人生が塾講師のバイトをするとどうなる?」
アルバイトをしながら、浪人生活を送らなければいけない学生は多いかもしれません。
できることなら、現役時代の積み重ねも生かしながら、時給も高い塾講師のバイトができたらいいですよね。
そこで、現在大学2年生の私が、浪人生の時にやっていた塾講師の経験を公開します!
- 「浪人生も塾で働けるの?」
- 「自分の勉強時間が阻害されてしまわない?」
- 「合否にはどういった影響があるの?」
といった疑問に私なりに率直にお答えします。
そもそも、なぜ浪人生になったのか
理由は簡単です。
現役時代にどこにも受からなかったからです(笑)
現役時代、一応早稲田大学を目指していました。
そこそこの進学校の特進クラスに通っていたため、周りのみんなも同じように早慶上智を目指して、MARCHを滑り止めにするが普通の環境でした。
でも、私は現役時代MARCHで滑り止まらなかったんですよ。
そのまま滑り落ちていって(笑)、「あれ?自分、大学生になれないや」となりまして、流れるように浪人生になりました。
どんな浪人生活を送っていたのか
私は予備校には通わず、いわゆる宅浪生でした。
政治や経済学部を目指していたので、受験科目は、国語(現代文、古典、漢文)、英語、数学(ⅠA、ⅡB)です。
「なぜ予備校に通わなかったのか」についても理由がありまして、まず現役時代は予備校に通っていました。
現代文と英語の塾業を週に2コマとって、春夏冬はそれぞれ予備校の講習も取って、なおかつ数学は塾で個別指導をしてもらって、かなりのお金を塾、予備校に費やしてもらいました。
でも、現役生の時の結果が自分に帰ってきて、何がいけなかったんだろうと考えたときに、
- 授業をとっているという安心感
- 教えてくれる人がいる言う甘え
から、“自分のものにする“貪欲さを失っていた、と気づきました。
そして結局、
授業というのは(特に予備校などの集団授業は)パフォーマンスの一種であって、解法や思考方法など授業の見栄えの良さに安心してしまう。
と私は感じました。
いくら素晴らしい授業を聞いていても、それを自分のものにできるかどうかはまた別問題なんです。
現役生の時は、先生の解法の美しさに見とれて、綺麗なノートを見ては自己満足していたんだと思います。
現役受験が終わったときにそれに気づいて、「あ、自分は予備校行く必要ないな」と思ったわけです。
結局、必要なことはすべて高校までの教科書に書いてあるんです。
そんな経緯があり、浪人時代は予備校には通わず、でも数学と小論文は記述のアウトプットが必要だったので、Z会の通信教育を利用していました。
塾講師のアルバイトを始めた経緯
私の家庭は、「浪人でもなんでも自由にしていいけど、自分で責任とってやりなさい」というスタイルでした。
私の兄も浪人経験がありますが、両親が金銭的なサポートをしてくれることはなく、私と同じように塾講師のバイトをしていました。
なので、浪人するとなって「受験料やZ会の費用を自分で払わなきゃいけない」という環境に至りました。
どうやって浪人生が働ける塾を見つけたか
当時通っていた個別指導塾がありまして、その塾には中学2年生の時から通っていて、室長とはその時点で5年以上の付き合い。
私が浪人するとなって「お金が必要だ」という相談をしたら、その室長がアルバイトに誘ってくれたのがきっかけです。
自分の通っていたところに、そのままアルバイトという形で入ったというわけですね。
しかし、個別指導塾はどこも人手不足ですから、私のように塾生としてのコネがない人も面接をいくつか受けければ採用してくれるところは多いと思います。
「浪人生だから採用されるまでの道のりが遠いんじゃないか」と言えば、そんなことはないと私は思います。
教える相手は中高生ですから、そんなにビビる必要はありません。
浪人生だから採用されないかもと悩んでいる方は、心配する前に今すぐ近所の塾にアプライしてみましょう!
浪人生活のスケジュールの組み方の例
自宅浪人とはいえ、私は自宅では勉強できないタイプの人間ですので、近所の自習室に毎日通い詰めていました。
そして、超朝型だったのもあって、朝は4時に起きていました(笑)
4:00~8:00:家で勉強
9:00~18:00:自習室で勉強
18:30~21:30:塾でバイト(90分×2コマ=3600円)
22:30:就寝
ざっくりと、こんな感じの生活をほとんど毎日繰り返していました。
なるべく毎日同じサイクルにしたいと思って、毎日このスケジュールで組んでいました。
4月~8月くらいは、確かほぼ毎日(月曜日~土曜日)アルバイトをしていたと思います。
塾のバイトを始めた浪人生の中にも、「どれくらいの頻度でシフトに入れればいいのかわからない」という方もいるかもしれませんが、本当に自分次第です。
私は無駄な時間がほとんどなかったので、1日3時間アルバイトの時間が入っても、十分に勉強時間を確保できていたと思います。
むしろ、アルバイト中は休憩時間みたいに捉えていました。
ただ、夏が終わると本格的に焦りだして、9月以降はシフトを週3くらいにしました。
12月になって、冬になると本格的に受験シーズンに入るため、バイトはお休み。
そんな感じで、1年のうちにも緩急付けてやるといいと思います。
気になる貯金額
細かくは覚えていないですが、
- 月々のZ会料金(5000円くらいだったかな、確か)
- 受験料20万程(私立3万円×6学部+センター試験)
- その他、日々の出費や携帯代
は十分補って、浪人生が終わったときに手元に15万程の貯金が残った記憶があります。
なので、おそらくトータル50万ほどの稼ぎがありました。
ただ、半分以上は8月までに稼いでいたと思います。
上記のスケジュールで、
1800円×2コマ×6日(月~土) ×4週間 = 8万7200円
ということで、1日3時間でも働けば、1カ月で9万近くの稼ぎがありました。
『塵も積もれば山となる』ということですね。
自分のキャパを見極めて、1日の負担を減らしながらコツコツやることが大切です。
ただ、1年を通して同じペースで稼ぐのはほぼ不可能だと思います。
やはり、受験日が近づいてくると自分にも余裕がなくなり、必然的にバイトを減らすことになります!
お金の計算をするときは注意してください。
冬が近づけば近づくほど、絶対にシフト減らしたくなります!
浪人生が塾講師のアルバイトをするメリット
気になるメリットを思いつく限り、挙げてみます。
① 人に教えることで、自分の理解を深めることができる
教える、というのは実はそんなに簡単な事ではないんです。
自分が理解していないと説明はできません。
中学生の数学とか英語くらいなら特に困ることはないと思いますが、私は高校生の数Bとか大学受験生のセンター数ⅠA対策とかを担当させてもらっていたので、それは結構ありがたかったと今でも思います。
生徒にしっかり説明できるまで自分で考えて、逆に説明できなかったところは「自分が理解していないところ」だと把握することができました。
② 人と話すことでストレス発散できる
塾に通う生徒は中高生たちですが、年齢もあまり離れていないので普通に友達みたいに楽しくおしゃべりができます。
特に、私はアルバイトの前に12時間以上勉強していたので、毎日とにかく疲れていましたけど、人と話すことでリフレッシュできましたし、ストレス発散にもつながったと思います。
③ 塾の参考書をいっぱい使うことができる
これも塾で働く特権ですね。
うちの塾は個別塾ですが、講師が指導の際に参考にするために室長がとにかく参考書をたくさん購入していたので、私は自分のために使っていました。
分かりやすいものとかは家に持って帰り、普通に自分で使ったりしていた。(笑)
④ 大学生と一緒に働くことができる
塾の講師は、基本的には大学生がほとんどです。
もちろん、アルバイトの中には早稲田、慶応、東大に通っている大学生もいたので、そういう意味ではとても刺激的でした。
学生生活を謳歌している大学生が日々近くにいた悔しさや情けなさが、自分のやる気につながることもあります。
浪人生が塾講師のアルバイトをするデメリット
みんなが気になるデメリットです。
① 時間の管理が難しい
大きな苦労点は、やはり時間の管理だと思います。
塾のアルバイトって、やってみると面白いし意外とはまってしまう方も多いと思います。
自分の時間を犠牲にしてまで、授業時間外で生徒に指導することもありました。
また、人手不足で「急だけどシフトに入ってほしい」「ある生徒を見てほしい」と頼まれることもあります。
個別指導塾はどこも人手不足って分かっているから、なかなか断れないこともあります。
自分の決めたペースがきちっと守れない現状がありますし、結局、自分のペースを乱されることもあります。
自分が塾講師のアルバイトにはまってしまった場合、自ら進んで自分の時間を犠牲にすることも十分考えられます。
塾講師のアルバイトを考えている浪人生たちは、自分でアルバイトの位置づけをしっかり把握して、時間の管理をする必要があります。
② 自分のメンタルをコントロールしなければならない
自分が受験生でありながら、塾でも高校受験生や、もしくは大学受験生の面倒を見なければいけなかったというのが、個人的には辛かったです。
自分も浪人生として余裕がない中で、生徒の相談や受験指導をするのは簡単ではありません。
私が受験のプレッシャーによって精神的に不安定になっている時に、生徒に「受験に対する不安」を打ち明けられても、なかなか適切な言葉をかけられるほどの余裕はありません。
それが大変でした。
③ 他の塾講師からちょっと腫物扱い
これも「やだな」と思ったことです。
私は浪人生であることを公表しているわけではありませんでしたが、特に隠しているわけでもありませんでした。
でも、他の講師の方々は、私が浪人生であるがために少し気を使っていた感じがしました。
それが「少しいやだな~」と思っていたことです。
アルバイトの後に食事に誘われることも全くなかったので、ちょっと寂しかった。
まあ、その悔しさがモチベーションにつながるという両面性があるのは確かですが。
まとめ
塾講師のメリット、デメリットを上げましたが、結局、デメリットは向き合い方によっては、特に大きなデメリットではないように個人的には思います。
何をするにしてもそうですが、とにかく自分次第です。
少なくとも、塾講師のアルバイトをしても勉強時間がしっかりと確保できることは確かです。
結果的に、私は第一志望には受からず、第六志望のMARCHの滑り止めの滑り止めの大学にしか合格しませんでした。
でも、第一志望に合格できなかった原因はまた別にあり、塾講師のアルバイトのせいだとは全く思っていません。
大学受験が終わり、自分の経験を振り返ると、「浪人生の時から塾のバイトができてよかったな」と思っています。
メリットで上げた点が、私にとってはデメリットを上回っていました。
そして、最後に言いたいことは、私は不本意ながら、全然志望していなかった大学に通っていますが、今は大学名にとらわれることなく、自分の好きな事を片っぱしからすべて実行しています。
そして、現在通っている大学も施設は十分整っていて、自分の専門の勉強もとても楽しんでいます。
今は休学してオーストラリアにいるので、自分がどこの大学に所属しているかなんてまったく大事な問題ではありません。というか、大学の話題なんか通用しません。
どこの大学に行っても、その先の人生は続きます。
ただ、浪人生の時に自分の頭で考えながら、孤独の中で一生懸命もがき苦しんだ経験も決して無駄ではありません。
大学名ではなく、浪人の1年で培った忍耐力や論理力、継続力、様々な力が今の自分の実力として発揮されます。
浪人するときには理解できないかもしれませんが、終わったときにきっとわかります。
「浪人中に塾講師バイトをする⇒大学に落ちる」という単純な思考を辞めて、自分の頭でぜひ考えてみてください。
具体的なスケジュールや経験は上記の通り経験者が記載していますが、あくまでも参考程度に捉えてください。
大切なことは、意志をもって自分に挑戦できるかどうかです。
浪人の1年が実りあるものになるかどうかは、環境ではなく、すべて自分で決めることができます。
どうか、それを忘れることなく、決断をしてください。