仮面浪人が無駄である3つの理由|唯一のメリットとは?

仮面浪人が無駄である3つの理由|唯一のメリットとは?

私は予備校講師として、第一志望校が不合格できず、第二志望の大学で親に許可をもらい「仮面浪人」をした学生と接したことがあります。

その学生の大学受験時の様子や、予備校講師としての経験を振り返りながら、「仮面浪人をすることに、無駄を上回るメリットはあるのか」について、今回は思うことを書いていきます。

結論として私は仮面浪人には反対ですので、あらかじめご承知おきください。

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1.仮面浪人とは何か

仮面浪人の定義は下記のとおりです。

大学に進学しながら、本来の志望校への入学のため受験勉強を行っている、実質的な浪人生。大学生の仮面を被っている受験浪人。(出典:実用日本語表現辞典)

つまり、一応入学だけはしておいて、翌年の第一志望校の受験に備えている状態といえるでしょう。

 

2.仮面浪人の唯一のメリット

大学生としての地位を保持しているという安心感を得られる

これが仮面浪人でいる唯一のメリットでしょう。

「浪人生」よりも「大学生」の方が外聞が良いし、もし浪人に失敗しても最悪いまのまま大学生でいればいいや。

仮面浪人する大学が希望していた大学ではなくても、在学していれば「大学生」という肩書きが得られます。

浪人生はなんだか”だらしない”印象を受けがちですが、浪人をしながら浪人生に見られないのが仮面浪人のメリットです。

また、翌年の受験にも失敗した場合は在学中の大学で卒業を目指すことも可能です。

しかし、残念ながら個人的には仮面浪人はもはや道楽だと思っています。

 

3.仮面浪人の3つの無駄

(1)不必要な出費が大きい

仮面浪人にはかなりのお金がかかります。

仮面浪人の年間費用=大学の年間学費

場合によっては、予備校や塾の費用も必要になります。

まず大学の授業料だけでもかなりの金額です。

国公立でも初年度納付金は80万円から90万円。

私立大学の文系で110万円以上、理系で150万円以上となることも珍しくありませんし、これに教科書代・実習費用なども必要になります。

また、大学のほかに大学受験のための予備校に行くのであれば、予備校費用も別途必要になります。

したがって、少なくとも100万円、多くて200万円以上のお金が仮面浪人という道楽のために消費されることになるのです。

そんなお金があるなら、素直に予備校を選んで受験勉強に集中する環境を整えるべきです。

 

(2)受験勉強の時間が削られる

自宅で勉強するにせよ、予備校や塾に通うにせよ、仮面浪人はダブルスクールのような状態になると考えましょう。

浪人に失敗した場合に大学2年次に進級したいなら、まじめに大学の授業に出席し、単位を取るためにテスト勉強も行う必要があります。

正直、1年次くらいは手を抜いても進級できることが多いですが、卒業要件を満たすのが難しくなり、4年間で卒業できる確率が下がることが容易に考えられます。

つまり、大学の勉強もそこそこ本気で取り組む必要があるのです。

そんな中で、大学受験の勉強にも取り組むのはかなりハードです。

 

大学の勉強に割く時間があるなら、受験勉強に集中しなさい。

希望の大学に入ってからでも、大学の勉強はできます。

というのが正直なところで、さらに人間は一つのことに集中する方がパフォーマンスが高くなります。

大学のテスト対策もしなきゃ!でも模試も近いし!

もう何から手を付けていいのか分からない!

なんて焦りながら勉強するのは誰だって嫌ですし、受験勉強に集中できなくなるのは目に見えています。

さらにアルバイトでもしようものなら、タイムロスだけでなく、体力のロスも計り知れません。

基本的に、仮面浪人は受験勉強受験だけに専念できる現役高校生や浪人生よりも、勉強時間という大学受験の最重要要素において条件が悪くなります。

 

(3)保護者の理解を得るのが大変

仮面浪人という選択を保護者に納得してもらうのは至難の業です。

経済的な負担もさることながら、大学に通いつつ、第一志望校を受けるという選択が中途半端だとみなされがちだからです。

そのため、多くの仮面浪人生たちは、保護者に内緒で「大学に普通に通っているように見せ」つつ、受験勉強をしなければなりません。

これは大きなハンデです。

 

大学生でありながら受験勉強をするのであれば、大学のサークルに参加するという選択肢はないでしょうし、学内の人付き合いも制限されるでしょう。

となれば、

大学で楽しくやれてるの?友達はできた?

という保護者からの質問に本音で答えられませんし、正直、あなたの様子が普通の大学生と違うということも早晩気づかれると思います。

内緒で大学受験をしようとしていることが露見してしまえば、嫌なかたちで保護者に呼び出されることでしょう。

そうなれば最期、親子関係にひびが入るでしょうし、大学受験をすることへの理解を得るために長い長い交渉が必要となるでしょう。

大学の初年度費用を出してもらい、受験勉強の時間をサポートしてもらい、合格後に新しい大学に入りなおすことを保護者に認めてもらう、これは本当に至難の業です。

 

4.仮面浪人は誘惑がありすぎる

私が講師として接した仮面浪人の学生の話をさせてください。

彼は

どうしても医学部医学科に入りたい

と日ごろから言っていました。

しかし、学力が思うように伸びず、結局は同じ大学の看護学科を受験することに。

そうして看護学科に見事合格したのですが、彼はとてもプライドが高い学生でした。

浪人してまで入った学部が、医学科よりも偏差値が低い看護学科だったことに、どうしても納得できなかったようでした。

そして、どういう方法を使ったのかは分かりませんが、保護者から仮面浪人の協力を得ることにも成功したのです。

 

そして、一年後に医学科に挑戦した彼の結果はやはり不合格でした。

のちに、看護学科に行った別の卒業生から彼の近況を聞くことができました。

彼は社交的で人付き合いも好きでした。

明るく、同級生からの人気もありました。

その部分がマイナスになったのかもしれません。

サークルには入っていませんでしたが、夜遅くまで友達と出歩いたりしていたようです。

それでも、「来年は医学科に入る!」と親しい友人には言っていたようです。

ですが、そんな状態で合格できるほど医学科は甘くありません。

結局は、そのまま看護学科で卒業しました。

 

このことから、本当に自分の行きたい大学や学部があるなら、仮面浪人はするべきではないと考えるようになりました。

彼と同級生だったもう一人の学生は迷わず浪人を選択しましたが、2浪の末、医学科合格を果たしています。

能力的には仮面浪人を選んだ彼よりも下だったのですが、最後には結果が逆転しているのです。

上位校になればなるほど、生半可な力では合格できません。

中途半端な仮面浪人の1年間は、学生生活も楽しめず、目標達成の行動も不十分、お金も時間も消費してしまいます。

仮面浪人を考えている方は、「二兎追うものは一兎をも得ず」という言葉をもう一度考えてみてください。

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ホク

元予備校講師の営業マンです。高校の非常勤講師、学習塾・予備校の講師の経験を活かして大学受験に関する記事を執筆しています。専門は社会科。推薦入試・公募面接・小論文対策の指導経験有り。

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