大学推薦入試の面接の仕組み|定番の6つの質問・採点ポイントとは?

推薦入試の面接の仕組み|定番の6つの質問・採点ポイントとは?

公募推薦であれ、指定校推薦であれ、多くの推薦入試で採用されているのが面接試験です。

ですが、面接試験は緊張しますよね。

不安がたくさんあると思います。

今回は、推薦入試で実施される面接試験について、わかりやすく解説します。

目次(もくじ)

面接試験の目的

推薦入試で面接試験を実施する目的は、受験生と直接会話して「志望動機の高さ」や「入学目的」、「人間性・コミュニケーション能力」などを推し量るためです。

簡単に言い換えれば、「どれだけ本気でこの大学を志望しているのか」をアピールする力を見られていると言えます。

面接では受験生を直接見ることで審査するわけですから、面接時の印象は合否にとても影響します。

 

面接試験の形式

(1)個人面接

受験者一人に対して、一人または複数人の面接官が面接するもっとも基本的な面接形式です。

一つの質問に対して掘り下げたり、別の角度から質問されたりすることも多いです。

面接官は役割分担をしていることが多く、基本的には

などがいます(あまり役割分担を決めていないケースもあります)。

 

(2)集団面接

受験者は複数人(2~5・6人)、面接官も複数人で行われることが多い面接形式です。

一つの質問を深く掘り下げることよりも、周囲の意見をよく聞きつつ自分の考えを述べる必要があります。

ほかの受験者の回答を聞き漏らすことなく、全体の雰囲気や場の流れを読む力が必要です。

 

(3)集団討論

複数の受験生がグループとなり、「与えられたテーマ」について討論します。

討論のコツは、自分の意見だけを主張するのではなく、チームとして一つの結論を得られるようにすることです。

論理的な主張は当然ですが、協調性をもって周囲の意見を集約し、議論をまとめることも必要です。

リーダーであれ、補佐役であれ、議論を集約する方向にもっていくことが肝心です。

 

(4)口頭試問

これは理工系の学部などで実施されることが多いです。

基本問題を問われ、それについて口頭で回答することもあれば、面接官の前で板書やホワイトボードで解説を求められることもあります。

文系の場合で口頭試問があれば、時事問題や英問英答なども出題される可能性があります。

どのような内容かは募集要項だけを見てもはっきりしないことが多いので、大手予備校のサイトなどから過去問を入手するのがベターです。

 

面接試験の評価方法

面接試験では複数の面接官が評価します。

事前に、評価する観点や評価基準を話し合い、点数もしくは段階で評価されます。

一人の面接官だけの評価だと偏りが生じてしまうからです。

その点では、フィギュアスケートや新体操の採点に似た部分があります。

 

面接官の採点ポイント

(1)学習意欲・志望動機

面接官が最も知りたいのは、受験生がどうしてこの大学を受けたのかという志望動機と、それに対する本気度です。

本気度のアピールは面接だけでは不足です。

試験前に開催されるオープンキャンパスの参加は必須です。

インターネットや資料などだけでは得られない情報を、直接参加するオープンキャンパスや説明会で得ておき、そのことを面接でアピールできれば本気度を相手に伝えやすくなるでしょう。

また、大学に入ってからやりたいことも大事です。

入学するまでは熱心でも、入学後に学習意欲が低下してしまう学生を採用したくないというのが大学側の本音です。

本気度を語る「言葉」と「行動」

この二つがセットになってこそ、相手に自分の志望動機を気持ちを込めて伝えることができるでしょう。

 

(2)人間性

面接での質問の定番に、「長所・短所」があります。

これは、客観的に自分を理解しているかということだけではなく、人間性を確かめたいからの質問でもあります。

面接官が知りたいのは「受験生はどんな人間なのか」ということです。

言葉遣いや態度・しぐさなどは案外、地が出やすいものです。

そうした面もチェックされていると思うべきでしょう。

これは実話ですが、推薦入試の会場ですれ違った人にしっかりとあいさつをしたところ、面接の部屋ですれ違った人が面接官として席についていた、などということもありますので油断大敵です。

 

(3)コミュニケーション能力

面接とはコミュニケーションの場です。

見ず知らずの人間と、初対面で、どの程度会話することができるのか。

自分の意見だけを一方的に話すのではなく、相手の話を聞き、互いの意思疎通を図ることができるのか。

双方向的コミュニケーションをすることができるのか。

感情に振り回されず、過度に緊張せず、自分の言葉を論理的に話すことができるのか。

こうした能力も、面接試験でみることができます。

面接対策

(1)基本動作編

面接では、

控室→入室→着席→面接開始→退室

までの基本の流れがあります。

その間、あいさつやノックの仕方、入退室の動作などを練習しなければなりません。

これについては、何度も繰り返し行うことで体に覚えこませましょう。

いちいち考えていては動作がぎこちなくなってしまうからです。

練習あるのみですね。

 

(2)質疑応答

推薦試験の面接で聞かれる内容は次の通りです。

①「この大学を志望した理由は何ですか?」

②「大学に入学したら何をしたいですか?」

③「卒業後はどのような進路を考えていますか?」

④「高校生活での思い出は何ですか?」

⑤「あなたの長所や短所は何ですか?」

⑥「簡単な自己PRをしてください」 

ほかにも質問はありますが、共通しているのは以上の6つです。

 

①・②・③は相互に関連しています。

一番わかりやすいのは看護・医療系でしょう。

看護大学に入りたいのは、看護師になって働きたいからという理由がほとんどです。

その場合、オリジナリティを出すために「〇〇ということがきっかけで、看護師になりたいと思いました」という個人のエピソードを加えるとよいでしょう。

ほかの系統であっても、大学で学べる内容と将来の進路を結び付けることができれば、無理なく話すことができるでしょう。

 

④「高校生活での思い出は何ですか?」は調査書と関連しています。

面接官は調査書を見たうえで、どのようなことをアピールするか見ています。

できるなら、担任の先生などに調査書の部活動・課外活動・学校活動でどのようなことを書いてくれたかを聞いておくべきでしょう。

 

また、⑤と⑥はセットです。

長所短所は自己PRの軸になるものです。

この二つの内容が矛盾しないように気を付けましょう。

長所に積極的と書いておきながら、自己PRで積極的に行動したことが述べられていないというような矛盾が発生しないよう気を付けましょう。

 

面接試験で大切なこと

面接試験で大切なことは、嘘偽りやその場限りのごまかしをしないことです。

自分自身を実像よりも大きく見せたとしても、多くの場合、相手に見破られてしまいます。

一つ嘘やごまかしが発生すると、それをフォローするために別な嘘やごまかしをしなければならなくなり、最終的には論理破綻をおこします。

必ず、本当のことを中心に話しましょう。

 

また、「面接練習の過程で、先生たちからたくさん指摘されるだろうダメ出しにめげないこと」も重要です。

面接では、自分自身の短所と向き合うことや、うまく話すことができずに落ち込むことも少なくありません。

そうした時にいちいち落ち込んでいては、面接対策も本番の面接も心配になってしまいます。

指導している先生方は受験生をいじめることが目的ではありません。

合格してもらうために、ダメ出しをしているのです。

メンタルを強く持ち、逃げずに正面から立ち向かう勇気を持ちましょう。

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