専門学校って楽しいの?講師の立場から専門学校の魅力を語ります

専門学校って楽しいの?講師の立場から専門学校の魅力を語ります

専門学校って、高校生だと進路の選択肢としては当然耳にしますが、実際どうなのかよくわかりませんよね。

大学は設置基準によってきっちりと決まった枠組みがあり、コマーシャルはするわ、良いのも悪いのも含めてニュースになるわで、「大学」のイメージは多くの方に定着しています。

それに比べて、専門学校のメディアへの露出度はとても低く、おかげで「実際のところ、専門学校ってどうなの?」と思われがちです。

ここで本題、今回は専門学校と大学の両方で実際に講師として指導している身として、専門学校の生活をご紹介します。

「専門学校は具体的に何をしているのか分からない」という方は特に参考にしてみてください。

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もんでん ひでこ

某大学非常勤講師。物理学担当。最新の大学の様子をお知らせします。
バリバリの理系なのに夫と娘は文系。なので文系の皆さんの参考にもなればいいなと思います。
2浪の末に大学に行って大学院まで卒業したのに、科学館勤務を経て今や漫画家も兼業中。

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専門学校の授業って?職業訓練してるんじゃないの?

「専門学校は、ちょっと勉強して予備知識を入れてから就職に備えるところ」

というイメージを多くの方が持っています。実際、このようなイメージで専門学校に入る学生もたくさんいます。

しかし、”ちょっと勉強して”というのはかなりイメージが違います。

「ちょっと」は勉強の量ではなく、あくまで「期間が短い」ことを意味しているのです。

授業内容の難易度はさておき、大学でも教えてくれないような「即戦力」としての勉強を短期間で習得することを要求されているのです。

軽く考えて専門学校に入ると、「こんなはずじゃなかった・・・」と後悔してしまいます。

 

情報系の大学と専門学校を比べて例えてみましょう。

大学では、アルゴリズムやコンピューター言語、数学など、「コンピューターがどうして動いているか」という原理から学びます。

大学は研究者を養成するのが主な役割ですので、学習・研究内容は学生によって異なりますし、最終的な就職口も学生によって違います。

一方、専門学校では、入学時からある程度決められた就職口に備えて、就職後の業務に必要な実践的なスキルを集中して学びます。

就職から逆算してカリキュラムを組んでいるので目標設定がひとつひとつ明確であり、とにかく短い期間に実践的なスキルを身に着けるというのが専門学校です。

 

また、最近人気の看護や介護系、保育系の専門学校も実態とかけ離れたイメージが広まっています。

これらの専門学校は、ホームページの紹介記事に載っている写真や世間の勝手なイメージが先走りすぎて、「勉強はそこそこで、患者さんや利用者さんのお世話の実習ばかりしている」と思われがちです。

しかし実は、倫理学、微生物学、心理学など専門に直結している学問知識が必修になっており、授業でみっちりと勉強します。

特に、看護や保育は短期大学と競合する所がありますから、どちらにしようか迷う高校生も多いです。

しかし、「勉強量が少なそうだから専門学校に行こう」なんて思っていたらそれは間違いであり、やっている「勉強」や期間は短大とほぼ同じだとしっかり知っておきましょう。

 

専門学校と短期大学の違いは講師たち

「短大とほぼ一緒?じゃあ専門学校って何のためにあるの?」と思われますよね。

その違いは、ズバリ「講師陣」です。

短期大学は大学の短期バージョンであり、先生は教授です。

博士・修士の学位を取り、自分の専門分野を学問として研究している研究者なのです。

ところが、専門学校の講師はほぼ「その道のプロ」です。

実際にその職業に就いて働いて、実績を挙げた講師を専門学校が頼んで「ぜひに!」とお願いして来て頂いている人たちなのです。

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たとえば、美容関係の専門学校では、カット技術を習うだけでなくトリートメントや毛染めに薬品を使うので「化学」(あるいは物理)も習います。

このときに講師から

「お客様にちょっと酸性の強いトリートメントを使ったらかぶれの症状でクレームが来た!」

なんて経験談を聞くこともあります。

このような経験談は、実際に接客のお仕事をしていない大学の研究者からは聞くことができないものであり、その道のプロである講師たちならではの経験知識です。

それに、このような経験談を聞くことができると「お客様への事前の確認は大事だ!」って思うはずですよね。

また同様に、

「薬品表示を勘違いして脱色の段階で失敗しちゃって、あとのカラーリングで苦労したんだ!」

なんて話を聞くと、「理論」をそのまま習うより説得力があります。

このように失敗談を含めた現場の話をリアルに聞くことができるのが、専門学校の大きな魅力です。

こんなアドバンテージがあるのも、専門学校の先生は先生業をしているのではなくて、現に今仕事をしている方が講義してくれている場合が多いからです。

「この前、こんなクライアントが来て、むちゃな仕事を引き受けちゃったんだよ〜〜」

「途中で仕様変更の話が出て3日間徹夜だよ。もうくたくた」

などと現在進行形の話を聞くことができるのです。

これは、昔からの原理を並べてあるだけの教科書には書いてないことです。

このようなリアルな話を聞いて、学生は社会に出た時の心構えも一緒に準備をしていると考えてよいでしょう。

 

専門学校は忙しい

楽しい授業は良いのですが、看護系などの例外はありますが、なにしろほぼ2年で就職先を決めて社会に巣立っていかねばなりません。

それは、あっという間の2年です。

大学の就活は、3年になったらスタートを切り4年の初めには内定をもらっているというペースですが、専門学校も2年になったら会社訪問して夏はインターンを経験して、冬までには内定をもらうという大学よりタイトなペースです。

つまり、普通に学生生活を送っているのは1年ほどしかありません。

「明日までに図面を3枚書いて来い」など実践的で時間がかかる宿題もあるので、忙しさにビックリする学生もいます。

 

大学と同じように、レポート提出の課題もよくあります。

当然ですが、文章がおかしいと先生から再提出にされてしまいます。

これらのケアを先生方はちゃんとやってくれます。

学生からするとありがた迷惑かもしれませんが、学生が就職した時に日誌や報告書など意外と文章を書く機会はたくさんあり、その時のための練習としてレポート課題などが取り入れられているのです。

ちなみに、「文書作成」なる講義などもあります。

これは実務を重視する専門学校ならではと言えるでしょう。

 

初めに勉強のことを書きましたが、もちろん実習もみっちりあります。

この実習に時間がかかるので、専門学校は忙しいのです。

デザイン関係や美容関係などは「時間以内にこれだけのことをしなさい」という課題が課せられたりしますから、これをクリアするためには自宅での練習も欠かせません。

実際に働くと、スピーディーに仕事をこなすというのはとても重要な評価項目だと分かります。

いくらすばらしいヘアメイクができても、時間がかかっていてはお客様のニーズに応えることはできません。

極端な例ですが、俳優さんのヘアメイクを担当するようなトップスタイリストがもたついているようでは撮影に支障をきたします。

このように、常に実践を前提としたカリキュラムだからこそ、専門学校は忙しくなるのです。

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忙しいだけじゃない専門学校

とはいえ、実際専門学校で学生と接していると、バイトもして友達と遊びに出かけたりとそれなりに学生生活を満喫しています。

「うどん屋さんのバイトに入ってみたら、ちょ〜大変だったのぉ。で、やっぱりコンビニが楽だなぁ〜と思って、即行バイト変えた!」

「このまえ、みんなでサバゲして来た!先生行ってみなよ。お一人様歓迎のところだからさ」なんて話をしていますよ。

たった2年で就職して卒業していくのですから、学生生活をともに送っている仲間との関係は密です。

高校や大学と違ってみんなが同じ目標に向かって進む仲間なので、教え合ったり、夢を語り合う仲間意識は格別です。

しかも、専門学校は少人数教育です。

大学1クラス数十人なんて規模から見れば、格段に少ない人数ですから、友達や先生との距離も自然と近くなります。

 

専門学校の就職活動

この濃密な人間関係が就職にもいきて来ます。

なにしろ、先生が現役のクリエイターだったり、事業主だったりするのですから、就活には有益な情報がたくさんあるのです。

求人も昨今の売り手市場を背景に一年の頃からバンバン紹介されます。

学生同士仲間意識が強いので、情報交換も密に行われます。

専門学校の一番のセールスポイントは「就職に強い」ことです。

その筋で専門家になるために修行して来たのですから、即戦力としても歓迎されています。

そのうえ、就職先に「うちの卒業生、どうしてますか?」とアフターケアを行います。

大学は就職させたらだいたいはそのままですが、専門学校は就職させるだけでなく、就職させた人材が実際期待に添える活動をしているかが専門学校の評価に直結しているからです。

専門学校に行くと、高卒で就職するよりかなり専門知識をつけて就職できますし、大卒で就職するより速く現場に慣れることができます。

専門学校の生活、あなたはどう思いますか?

 

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この記事を書いた人

もんでん ひでこ
もんでん ひでこ
某大学非常勤講師。物理学担当。最新の大学の様子をお知らせします。
バリバリの理系なのに夫と娘は文系。なので文系の皆さんの参考にもなればいいなと思います。
2浪の末に大学に行って大学院まで卒業したのに、科学館勤務を経て今や漫画家も兼業中。