今回は、私が予備校講師として見てきた学生の恋愛事情を通して、予備校生の恋愛が受験勉強にどのような影響を与えるのか4つのパターンでご紹介します。
予備校生同士の恋愛や、予備校生と大学生、現役高校生と恋愛する予備校生もいます。
しかし、予備校生の本文は受験勉強です。
恋愛が受験勉強にどのような影響を与えてしまうのでしょうか、case1から見ていきましょう!
元予備校講師の営業マンです。
高校の非常勤講師、学習塾・予備校の講師の経験を活かして大学受験に関する記事を執筆しています。
case1.仲良くゴールインパターン
「一緒に受験勉強がんばろう!」
予備校入学前からの恋愛、あるいは予備校入学直後に結ばれた予備校生同士のカップルに多いパターンです。
このパターンで成功するためには、二人がある程度「大人」であることが絶対条件です。
成功したカップルの場合、たいてい授業中は別の席、予備校で過ごしているときもそんなに互いにべたべたしない、くっついているのはせいぜい登下校の時くらい。
そういうカップルは志望校に合格することが多かったです。
互いの受験勉強を尊重し、志望校に向けてお互いに切磋琢磨しながら目標に向かって頑張るような関係の場合、恋愛はプラスの面に働くでしょう。
苦しいときに互いを支えあう仲間として機能するわけですから。
case2.別れて変化パターン
予備校入学後に志望校が大きく異なっていたり、予備校入学後に新たな出会いなどがあった時に起きやすいパターンです。
この場合、結果は両極端になることが多いです。
一つ目のパターンは、別れることで互いに勉強に集中するパターンです。
この場合は、結果的に両者とも志望校に合格することが多いので、予備校生としては本分を全うしていると言えるでしょう。
もう一つのパターンは、周囲も含めて人間関係が悪化するパターンです。
本人たちだけで済めばいいのですが、互いの友人も巻き込んでトラブルが拡大することもあります。
その場合、その友人グループ全体が混乱し、一時的な成績低下となることが多いです。
ただ、周囲の友人たちも自分の受験勉強が大事なので、長期化した時は当事者たちから距離を置き、自分の勉強に専念することが多いです。
元カップルの関係悪化に巻き込まれる周囲はたまったものではありません。
相談されたときも、当事者ではないのなら少しずつ距離をとるようにアドバイスすることしかできません。
case3.「気がついたら手遅れ?」キリギリスパターン
こちらは恋愛が過熱してしまうケースです。
春から夏にかけてカップルになり、その熱のまま秋に突入してしまうパターンです。
この手のカップルはどこに行くにも常に一緒。
授業中だろうが、休憩中だろうが、登下校中だろうがとにかく一緒。
こうなると、周囲の目線などまったく意識しなくなります。
時間的にも余裕があると思われがちな夏に「フィーバー」してしまい、勉強がおろそかになってしまいます。
春や夏の蓄積がものをいうのが、秋・冬の模擬試験シーズンです。
このあたりになると、一緒に遊んでいた友人たちも自分たちの受験が大事になってきますので、カップルからは距離を置き始めます。
不思議なもので、秋以降は人間関係トラブルの相談が急速に減少します。
これは、秋以降は自分の受験に集中する生徒が多いため、多くの生徒は周囲の人間関係から距離をとるためだと考えられます。
一方、恋愛を謳歌しすぎた二人にはかなり厳しい秋を迎えます。
ほとんどの恋愛は模擬試験シーズンになると沈静化しますが、春、夏に遊びすぎて勉強をおろそかにしていると、基礎力不足が露呈して、地獄のような秋を迎えるのです。
そして、浪人までしたのに模擬で成績が上がらないというのはまずいということで、一度気合が入り、また自然と受験に集中するようになるのです。
ただ、受験直前からエンジンをかけてしまうので、失敗率も高くなります。
case4.受験最優先パターン
「受験が終わるまで距離を置きましょう。」
現役時代の恋愛からいったん距離を置き、受験に専念する学生もいます。
経験上、最も大学受験の成功確率が高いのはこのパターンです。
春にものすごくくっついていたカップルが、いつの間にか距離を置いていたことがありました。
私は女性側の担当講師でした。
ある時、その女子学生に「どうしても行きたい学部がある。成績面が不安ですがどうしたらいいですか?」といった学習相談がありました。
勉強法やスケジューリングについては問題ありませんでしたが、本人の心配する通り、合格基準にまだ達していませんでした。
そこで、「募集定員から考えると今の努力以上に頑張らなければならない。時間の使い方を見直し、学習量を増やせるか検討してみよう」とアドバイスしました。
数週間後、彼女と再び面談する機会がありましたが、開口一番、「今年は受験に専念すると決めたので、彼氏と距離を置きます。」と宣言されたんです。
カップルはお互いに励まし合うなどのメリットもありますが、お互いの勉強のペースが合わないときに足を引っ張り合いたくないとの思いからだったようです。
確かに、予備校生同士の恋愛の場合、相手にプラスにもマイナスにも影響を与え合います。
その結果、ケンカになり関係が悪化する場面も、予備校講師としてしばしば接してきました。
彼女はその可能性も考え、距離を置く決断をしたようです。
結果は見事に第一志望校に合格しました。
彼氏の方も合格し、合格後は付き合いが続いたようです。
さいごに
恋愛をプラスにするもマイナスにするも本人たち次第です。
ですが私の経験上、予備校時代に恋愛に熱を入れることは、大学受験にマイナスになる可能性の方が高いと考えます。
残酷なことですが、恋人がいればついつい遊んでしまい、勉強がおろそかになってしまいがちです。
人間は感情をコントロールすることのにとても苦労します。
勉強しないといけないけど遊びたい
痩せたいけどお菓子やジュースを我慢できない
恋愛感情は、その中でも制御が難しい感情です。
恋愛感情のコントロールに苦労するくらいであれば、受験勉強の苦労の方が楽かもしれません。
どちらにせよ、予備校生の恋愛は自己責任です。
お互いの将来のためにどうするべきか、しっかりと話し合うことを勧めます。