大学受験がうまくいかなかったとき、精神的なショックはとても大きいです。
「志望校に落ちたばかりで、次のことなんて考えられない」
「もう少し、予備校に行くかどうか考えたい」
と落ち込んでしまう気持ちはとてもよく理解できます。
しかし、次年度も大学入試を受けるつもりがあるのであれば、できるだけ早く受験勉強に復帰した方が有利なのは言うまでもありません。
今回は、いつから予備校に通い始めればいいのか悩んでいる方たちに元予備校講師としてアドバイスと提案をします。
1.予備校に行くなら4月がおすすめ
予備校講師の経験者として言えるのは、「善はいそげ」ということです。
様々な意味から考えても、3月・4月のうちに入校手続きを済ませることをお勧めします。
(1)カリキュラムの問題
ほとんどの予備校は、4月から12月(私立大対策や二次試験対策を除く)でセンター試験などの共通科目の指導を終えるカリキュラムを組んでいます。
特に9月以降は模擬試験を毎週のように受けつつ、弱点探しのシーズンに入ります。
つまり、基礎力をつけるための勉強は4月から夏期講習までの間に組まれているのです。
入校時期が遅くなればなるほど、すでに終了した授業が増えていくわけです。
過去の授業をビデオ学習などで補完してくれる予備校もあるかもしれませんが、それにしても長い時間がかかります。
基礎から立て直したいなら早め入校がお勧めです。
(2)費用面の特典が大きい
3月・4月は予備校業界にとって書き入れ時です。
ということは、その時期に入校してくれる生徒というのは、予備校にとってもとてもありがたい存在なわけです。
生徒を確保するためにも、入学金や授業料の免除など各予備校によって内容は異なると思いますが、予備校側が費用面の特典を用意していることが多いです。
これは、通年で通ってくれる生徒に「お得感」を持ってもらうためでもあります。
確かに、夏以降に入校すれば、授業料がその分減る予備校もあるでしょう。
しかし、予備校に行く目的が大学受験に合格するためであるなら、基礎を習う春から夏を棒に振るのはとてももったいない。
そのくらいなら、割引特典を利用して通年で学習するほうが合格への近道だと私は考えます。
(3)生活リズムを整えやすい
志望校に合格しやすい浪人生の特徴として私が特に考えているのが、「時間管理ができる人」です。
高校を卒業すると、毎日学校に行く義務がなくなります。
言ってしまえば、「毎日が日曜日」です。
他人に強制されなくても自分で勉強のカリキュラムを組み、時間管理を徹底できる人は多くありません。
特に予備校に行かない自宅浪人生は自己管理が全てですから、4月のモチベーションを入試本番まで維持できる人は本当に少数です。
自主的に受験勉強を継続することは簡単なことではありません。
疲れたと思ったら休み、眠くなったら寝てしまうという人が大半です。
逆に、ある時はとても無理をするけれども、それが続かなくてダウンしてしまう。
これは予備校に通っている生徒ですらしばしば見られたことですから、予備校などカリキュラムがある場所に通うことなく、自分だけで生活リズムを整えるのは至難の業です。
予備校に行けば「時間割」があるので、嫌でも生活リズムが整うのでおすすめです。
(4)3月・4月に入校する生徒が多いため
浪人して大学受験の勉強を続けていく上で、同じく浪人生活を送っている仲間の存在はとても貴重です。
どうしても浪人生活を始めたばかりの頃は、大学生になった同級生たちと自分を比べてしまい、自分が取り残されてしまったかのような孤独を感じてしまいます。
しかし、同じ時期から予備校に通いはじめ、勉強面で一緒に切磋琢磨できる仲間が近くにいると、受験勉強に集中できてモチベーションも高く維持できるのです。
ぜひ、予備校に入る浪人生が多い3月・4月に入校しましょう。
2.予備校に通い始める時期の特徴
(1)3月・4月に入校する場合の特徴
予備校業界にとって3月・4月はその年の生徒を確保するとても大事な時期で、宣伝広告に最も力を入れます。
特にこの時期、「〇〇塾 無料体験授業実施中!」「■■塾 説明会開催中!」というCMがたくさん流れていますね。
入学希望者にすこしでも多くの情報を提供して興味を持ってもらおうと、予備校側もはりきっているということです。
この時期は予備校側も積極的に情報を表に出しますから、予備校についての最新の情報を得られる絶好の機会でもあります。
予備校側の受付体制も万全で、流れに乗ってしまえば4月から予備校生としての生活をスムーズに開始することができるでしょう。
(2)夏に入校する場合の特徴
予備校にとって、夏期講習は4月から入学した生徒の学力を一気に高める機会であると同時に、4月に取りこぼした生徒を獲得するチャンスです。
夏以降の入校も可能であることをアピールする予備校も多いです。
ただし、夏期講習を内部生や現役生に限定している予備校もあるので注意が必要です。
夏までに入校しなかった結果、「夏期講習を受けられない」など選択肢が減るリスクもあることを理解しておくべきでしょう。
(3)秋以降に入校する場合の特徴
予備校によっては、一定期間までは入校を受け付け続ける場合があります。
しかし秋以降になると、大学受験、特にセンター試験対策は仕上げの時期に入るので、入校を受け付けない予備校が急増します。
「模擬試験のみ」など、特殊な受け入れのみに入校が限定されることもあるでしょう。
予備校に入るかどうかは、3月を目安に、遅くても夏期講習が始まる前までには決めましょう。
まとめ
- 予備校に入るかどうかは3月に決断しよう。
- 基礎学習は夏までに終わる。基礎から習いたいなら早めが一番。
- 通年学習したいなら、費用面での特典がある春の入校がおすすめ。
- 自分だけで生活リズムを整えるのは至難の業。予備校の力を借りてリズムを整えよう。
大学受験が上手くいかず、
●「出願した大学の合否がもうすべて出てしまった。」
●「願書を出せる大学がもう無い。」
●「どうやって浪人生活を乗り切ろう。」
と3月頃に不安になってしまうのは当たり前のことです。
しかし、動き出さなければ何も始まりません。
自分を無理やり受験勉強に向かわせるという意味でも、予備校に入校する意味はあります。
第一志望合格を目指してがんばりましょう!