学歴は社会では関係ないって聞くけど本当?|知っておくべき学歴の価値とは

学歴は関係ないって本当?|高校生が知っておくべき学歴の価値とは

生きる上で学歴はどのくらい大事なものか。

学歴は社会でどのくらい評価されるのか。

受験勉強をしている皆さんにとって気になる話だと思います。

ある人は「学歴はとても重要だ。」といい、別の人は「学歴なんか関係ない」といいます。

本当のところどちらなのでしょう?

今回は学歴が社会でどのように扱われているのか取り上げたいと思います。


元予備校講師の営業マンです。
高校の非常勤講師、学習塾・予備校の講師の経験を活かして大学受験に関する記事を執筆しています。

目次(もくじ)

学歴が大事だとされる理由

(1)年収アップの確率が高い

一般的に、高学歴になればなるほど収入は大きくなります。

厚生労働省の平成29年賃金構造基本統計調査結果によれば、

大卒の男性の平均賃金は39.8万円、女性は29.2万円、

高卒の場合は男性が29万円、女性は21万円です。

平成29年の学歴別平均賃金

 男性女性

大学・大学院卒

39.8万円29.2万円

高専・短大卒

31.1万円25.5万円

高校卒

29.1万円21.1万円

参照:平成29年賃金構造基本統計調査(厚生労働省)

大学卒と高校卒を比べると、男性で10万円、女性で8万円程度の賃金格差があります。

特に男性では50~54歳の区分で約18万円の賃金格差が生じるなど、大卒と高卒では大きな所得格差があります。

(2)就職活動など審査されるときに有利になる

就職などで面接を受けるとき、面接する側があなたを判断する材料の一つとして学歴が用いられます。

企業側は限られた情報で採用者を決定しなければなりません。

実際、面接の印象だけでその人の人格を把握することも難しいです。

そこで、無難な物差しとして学歴が用いられるケースが多いのです。

近年は、

「学力偏重(人物の評価基準として学力を重視しすぎている)」

という批判を受け、企業側も表立って学歴重視とは言いません。


しかし、同じ印象、同じテスト結果で採用枠が一人分しかない場合、有名大学出身者が有利になることは否めません。

学歴は客観性が高いため、採用活動の際によく物差しとして用いられるのです。

小中高校と似た条件で頑張り、全国区での試験である大学入試に合格していることや高いランクの学校に合格していることは、そこに至るまでの努力と学習能力が備わっていることを示しています。

そのため、採用担当者も学歴を参考にするのです。


高卒と大卒なら大卒を、大卒同士ならよりランクの高い大学を選ぶ方が、

企業にとってリスクが少ないと考えられているのは事実なのです。

さらに少し現実的な話をすると、

「学歴」などの分かりやすい指標を参考にして学生を採用しておくと、

採用担当者が「どうしてあの学生を採用したんだ!?」と上司から詰められた際にも、

「学歴が優れていたからです」と言い訳しやすいということもあります。

(3)人脈を作ることができる

ハイレベル大学に行く大きなメリットとしては、周囲の学生も優秀なことが多いということが挙げられます。

在学中は優秀な学生と互いに刺激しあうことで自分の能力を高めることができるでしょう。

卒業後は、同じ大学を卒業した先輩方や一緒に学んだ同級生たちとの交友関係が貴重な人脈になります。

これは、仕事をする上で大きなアドバンテージになるでしょう。

(4)知識の量が増える

大学進学後にしっかりと勉強した場合に限りますが、一般的に大学卒業者は高校卒業者に比べると知識量が豊富です。

これは高校卒業後に就職する人に比べて、大学生は知識を得ることに使うことができる時間が多いからです。

一見、何の役にも立たないこともあるでしょうが、意外な時に過去の知識が役に立ちます。


また、大学にはさまざまなバックボーンを持った人たちが同級生として存在しているので、彼らとの交流によっても知識を得られるでしょう。

私自身の経験ですが、大学在学中の中国人留学生との交流で中国人の考え方の一部を知ることができました。

現在の職場では海外の方々と交流する機会が無いので、いま考えるととても貴重な体験でした。

本の知識だけではなく、生きた知識も得られるのが大学の大きなメリットです。

学歴はさほど大事ではないとされる理由

(1)評価基準の多様化

これまでは学歴が高く評価されていたれ

これまで、学歴は個人を評価する上で大きな役割を担っていました。

しかし、時代は進み、学歴以外の項目も個人を評価するうえで重要になってきたのです。

学歴だけが評価される風潮は変わりつつある

”学歴だけ”が過大評価される風潮が変わりつつあることは間違いありません。

しかし、個人を評価する際に、未だに学歴も評価項目の一つに入りやすいことは確かです。

学歴の重要度が低下してきているのは確かですが、

学歴なんて無駄。意味なんてない

と判断するのは早計だと言えるでしょう。

(2)学歴と能力は比例しない

高学歴に人の全てが仕事で成功できるわけではありません。

これは、インターネット上にもたくさんの話が出ていますが、学歴が全く役に立たない職種もあります。

中学校卒業や高校卒業の学歴の方にも、社長となったり大成功している人は本当にとてもたくさんいます。

いわゆるFランク大学出身者でも、営業でトップ成績を上げている人はたくさんいます。

私が前にいた職場でも、地区トップの営業成績を上げていたのはあまり有名ではない大学の卒業者でした。

本人の資質と仕事の相性が合えば学歴はあまり関係ないというのは事実だと言えます。

(3)学歴よりも人間性が大事

IQ(知能指数)とは別に、EQ(心の知能指数)という指数があります。

EQは、仕事への取り組み姿勢や人間関係への関心の度合いなどを感情という視点から測定する指数とされ、主に人間関係に大きな影響を与えるものです。

IQが高く試験には強い人でも、EQが低い人は珍しくないと感じます。

相手の気持ちを考え、うまく交渉し物事をトラブルなく進めることはなかなか難しいことです。

知識がいくらあっても、相手の気持ちを推し量ることが出来ない人間は人付き合いに苦労するということです。

人間性が優れている人であれば、学歴がなくても世の中をうまく渡ることが可能でしょう。

結局、学歴はあったほうがいいと考える理由とは

学歴があったほうが良い理由は、学歴が客観的に評価できる努力のバロメータとなるからです。

小中学校や高校のランクは人それぞれ違いますが、努力をするための時間は平等です。

同じ時間努力する機会を与えられ、それを活かしてハイレベル大学に入学した人と、やる気を出さずに大学進学をしなかった人とでは努力の度合いが違います。

もちろん、

「行きたい専門学校があるから大学に行く必要が無い」

「経済的な理由で大学受験ができない」

など、自分の力ではどうにもならない理由で進学をあきらめるケースもあるでしょう。

しかし、少ない情報で採否を判断する面接官らにとっては学歴はわかりやすい物差しです。

学歴が評価される世界に行くのか、それとも学歴が評価されない世界に行くのか、それはひとそれぞれの選択です。

また、学歴のためだけに大学に行く人もいれば、自分がやりたい研究のために大学に行く人、社会人になるまでの猶予期間を得るために大学に行く人もいます。

まだまだ学歴が評価され、学歴が高い方が高収入につながりやすい傾向にある日本において、自分に大学卒という学歴が必要なのかどうかはあなた自身が決めるしかないでしょう。

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