AO入試って何?|全体の流れを分かりやすく解説します

AO入試って何?|全体の流れを分かりやすく解説します

AO入試がどのような試験かご存知ですか?

もし街頭でインタビューしても、なかなか正確な答えは返ってこないのではないでしょうか。

大学受験をする高校3年生や予備校生などに聞いたとしても、果たしてどれだけ正確に理解できるでしょうか。

AO入試は今や私立大学の8割近くで実施され、決して例外的な試験方法とは言えません。

「AO入試はよく分からないから、受ける気なんてまったくない」

という方の中にも、実はAO入試にとても向いている方もいます。

受ける受けないはともかくとしても、どのような入試の形なのかは知っておいた方がいいでしょう。

今回はAO入試の基本について、高校教師と予備校講師の経験を活かして分かりやすく解説します。

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元予備校講師の営業マン

高校の非常勤講師、学習塾・予備校の講師の経験を活かして大学受験に関する記事を執筆しています。専門は社会科。推薦入試・公募面接・小論文対策の指導経験有り。

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1.AO入試って何?

AO入試とは、『Admissions Office入試』の略称です。

各大学が定める「来てほしい人物像」にあった受験生を採用する入試形式のことです。

日本では慶応義塾大学が導入を開始して以来、各大学に広まりました。

現在、導入している私立大学は全体の8割に及んでいますし、国公立大学の中にも導入している大学があります。

もはや、例外的な入試の方法ではなく、一般的に検討するべき入試形式だと言えるでしょう。

 

AO入試は、推薦入試と共通点が多い入試形式です。

各学校が責任をもって、いわば「自校の代表として受験生を送り込む」のが推薦入試です。

それに対し、AO入試「大学が、求めている学生を選ぶ」ための試験です。

● 大学視点のAO入試:自分たちの希望する学生像に合致する人物を積極的に選ぼうする

● 受験生視点のAO入試:自分が大学が求めている人物像に合致していると自らアピールする

AO入試では、あなたの意欲や熱意を大学に強く訴えなければならないのです。

 

AO入試・推薦入試の分類

AO入試・推薦入試・指定校推薦の分類

ほとんどの場合、AO入試は学校長の推薦を必要としません。

したがって、募集要項で認められていれば浪人生でも受験することが可能です。

また、AO入試では学業基準を設けていない大学が多かったのですが、最近は学力基準を設ける大学が増えています。

AO入試はどんどん多様化していますので、自分に合った試験方式を採用している大学を探しましょう。

 

2.大学が求める「来てほしい人物像」とは

大学が求める人物像は、もちろん各大学によって違います。

また、同じ大学であっても、学部・学科によって求める人物像が異なります。

そして、大学側が求めている学生像は、各大学の「アドミッション・ポリシー(学生の受け入れ方針)」で公表されています。

アドミッション・ポリシーとは、各大学が求める「理想の学生像」を述べたものだと言ってもいいでしょう。

「〇〇大学 アドミッションポリシー」

「〇〇大学 □□学部 アドミッションポリシー」

で検索してみると、各大学のアドミッション・ポリシーを見ることができます。

例えば、アドミッション・ポリシーには以下のようなことが大学ごとに示されています。

  • 「探求心と学習意欲が旺盛な学生が欲しい」
  • 「基礎学力は身に着けていてほしい」
  • 「協調性がある学生が望ましい」
  • 「大学の学問と現実社会の接点ついて考えてほしい」

多くの場合、抽象的でつかみどころがないような文章で書かれているのですが、その中に面接や小論文で問われることのヒントが書かれています。

決して読み飛ばすことなく、アドミッション・ポリシーは熟読しましょう。

多くの場合、求められる人物像は大学単位では抽象的なことが多いですが、学部・学科単位では具体的に示されます。

 

一例として、早稲田大学の早稲田建築AO入試(創成入試)の場合、

「創造性豊かで、指導力に富み、率先してチームをまとめ上げる活発な学生の入学を期待しています。」

とあります。

となれば、高校生活に運動部系の部活動でキャプテンなどをつとめて人をまとめ上げ、かつ、それによって何かの実績を残している場合、条件に合致する可能性が高まりますよね。

 

また、立命館大学文学部の場合、

「人文学を学ぶために必要な基礎学力を有する者」

「人文学の分野・領域に対して、深い関心と探求心をもつ者」

「学域・専攻での学びを通して幅広い知識と豊かな表現力を身につけて、人間と社会が抱える諸問題を追求・解決しようとする意欲を持つ者」

とあります。

人文学は、大雑把に言えば「国語系・社会系・英語系の能力」が必要です。

かつ、それらの学問が好きなだけではなく、現実問題の解決についても積極的に取り組む学生が欲しいということです。

つまり、「引きこもって文学の勉強をしたい」という学生が欲しいわけではないという意思表示なんです。

このように、大学側が提示する「来てほしい人物像」(アドミッション・ポリシー)は、抽象的表現ではありますが、面接や小論文・集団討論のヒントになることが書かれているのです。

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3.AO入試の区分

AO入試は、大きく以下の2つに分けることができます。

●「面接重視型」

●「書類・論文重視型」

面接重視型

説明会やオープンキャンパスを皮切りに、何度かの面接で合否を判定する選考方法です。

AO入試といえば、面接重視型をイメージする人が多いかもしれませんね。

多くの場合、最初に『エントリー』と呼ばれる登録を行った上で面接を重ねていく方式です。

一度の面接だけではなく、何度も面接を行うことで受験生のやる気や目的意識、大学のアドミッション・ポリシーに合致しているかなどを見極めます。

何度も繰り返し面接されると、付け焼刃の志望動機はすぐに見透かされてしまいます。

度重なる面接にも耐えられるような、熱意のこもった強固な志望動機の構築が不可欠です。

 

とはいっても、志望動機を完璧に作りこむことなど不可能です。

大事なのは

「どうしてその大学に入りたいのか」

「入学後の目標や夢」

を面接官に訴えかけ、説得することです。

心情のこもった本気の志望動機を練り上げましょう。

 

書類・論文重視型

出願時に、課題として小論文の提出をさせ、これに調査書や志望理由書などの書類審査(一次選考)を先行して行う方法です。

この一次選考を通過した受験者に対し、小論文や面接などを課して合否を決定します。

課題なので時間をかけて考えることができますが、その分、基礎知識をしっかり身につけておかないと論題に対して正確にこたえることができず、実力不足を露呈してしまうことになりかねません。

自分の考え方を文字にして、誤解なく相手に伝えることは意外と難しいことです。

まして、論文であれば「論理的」にテーマについて「論述」しなければなりません。

「~だと思います。」と述べると、その理由を相手が納得できるように伝えなければなりません。

 

面接重視型では対話力を、書類・論文重視型では論理力を評価されると考えるべきでしょう。

また、実際のAO入試では両者の混合パターンもあります。

各大学のAO入試要項を熟読し、

  • 「各大学で求めている人物像」
  • 「面接で伝えるべきこと」
  • 「書類の不備がないか」

慎重に手続きを進めましょう。

 

4.AO入試に向いている人、いない人

対話重視型であれ、書類・論文重視型であれ、どちらにしても最重要視されるのは「大学の志望動機を論理的に答える」ということです。

例えば、あなたが急に誰かに告白をされたとします。

しかし、あなたが「どうして告白してくれたの?」と聞いてみた時に、あいまいな答えや「なんとなく」といったやる気のない返答をされてしまったら、どう思いますか?

少なくとも、相手に対して好意は抱きませんよね。

 

AO入試の出願の際に提出する志望動機書は、志望校に入りたい理由を熱意をもって相手に訴える文章です。

そして、機械のように当たりさわりの無い理由を書いても説得力はありません。

大事なことは、明確で論理的な志望理由と、その理由を述べるときにどれだけ気持ちを乗せることができるかにつきます。

ということは、おのずとAO入試に向いている人がどのような人か、想像がつきます。

①「明確な志望理由を何度聞かれても、ぶれずに答えることができる人」

②「その理由がほかの大学ではダメで、志望した大学でのみ達成されるという人」

③「作り物に聞こえないくらい自分の言葉で、気持ちを乗せて語ることができる人」

これらの条件を満たすことができれば、AO入試という厳しい形式でも合格を勝ち取ることができるでしょう。

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5.AO入試のスケジュール

5月~7月には、大学のHPや大学案内などを比較検討し、AO入試を受ける志望校の選定を行います。

8月~9月に出願となることが多いので、事前に準備できることはしておきましょう。

おおむね、9月から11月がAO入試の選考期間です。

それまでにしっかり準備し、悔いが残らないようにしましょう。

そして、合格発表は各大学で異なりますが、12月~1月に行われます。

センター試験の点数が必要な場合は、センター試験終了後の1月下旬以降に合格発表です。

 

AO入試は説明会やオープンキャンパスから始まっている

AO入試の願書の提出自体は、8月1日以降と定められています。

しかし、説明会やオープンキャンパスへの参加がAO入試出願の条件となっていることも多いのです。

早い大学だと、説明会などが開始される6月から、すでにAO試験が始まっていると考えてもよいでしょう。

AO入試は「やる気」を重視しますから、説明会やオープンキャンパスの様子も見られているのです。

説明会やオープンキャンパスには、担当者に自分の名前を覚えてもらうくらいの意気込み」で臨みましょう。

 

6.AO入試で一番重要なことは”熱意”

AO入試で一番大事なことは何でしょうか。

それは、大学が求める人物像とあなたがその大学に入りたいという熱心な気持ちです。

面接官がよく聞く質問に、

「この試験で合格できなかった場合、あなたはどうしますか?」

というのがあります。

もしAO入試でこれを聞かれた場合、答えは

「一般入試でこの大学を受け、なんとしても合格できるように頑張ります」

の一択です。

それほど、AO入試はやる気重視の試験なのです。

空回りしない程度に、自分の気持ちをアピールすることが何よりも重要です。

 

まとめ

・AO入試は大学が欲しい人物を採用するための試験

・大学の欲しい人物像はアドミッション・ポリシーにあるので、要熟読

・AO入試は面接重視型と書類・論文重視型の二つにわけられるがどちらが簡単ということはない

・スケジュールは意外と厳しい。書類の提出期限に要注意

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この記事を書いた人

元予備校講師の営業マン
元予備校講師の営業マン
高校の非常勤講師、学習塾・予備校の講師の経験を活かして大学受験に関する記事を執筆しています。専門は社会科。推薦入試・公募面接・小論文対策の指導経験有り。