予備校講師から見た浪人生あるある6選をご紹介!

予備校講師から見た浪人生あるある6選をご紹介!

ここでは、予備校講師目線で選んだ「ああ、今年もおんなじことやってるなぁ」という浪人生あるあるについてご紹介します。

毎年毎年、予備校の講師を続けているとおなじみの光景を必ず見ます。

浪人生のあるあるに興味のある方はぜひ参考にしてください。

目次(もくじ)

① 浪人生のやる気は4月最高・10月最低

浪人生のやる気のピークは4月であり、逆に”焦り”のピークは10月です。

どんどんやる気がなくなる

前年の自分自身の大学受験に対する駄目だったことを見つめなおし、もう一度志望校に向けて頑張ろうと決意を固めている4月が、実はやる気という点で最高潮になっている学生が多いです。

合格できなかった悔しさもあるでしょうし、「次こそは!」という思いも強いからでしょう。

本来ならば、これからどんどんモチベーションをアップさせて合格に向かってひた走らなければならないところなのですが、なかなかそうはなりません。

  • 緊張の糸が切れるゴールデンウイーク。
  • 誘惑の多い夏。夏期講習会も消化試合気味。
  • そして訪れる焦りの秋。

毎週のように繰り返される模試で突きつけられる「現在の合格可能性の判定」

徐々に気温も下がっていき、次第に疲れと焦りの色が色濃くなります。

まるで、アリとキリギリスの童話のように、秋風が吹くころには身も心も寒々としてくるのです。

はっきり言えば、秋になってから必死に勉強しても、同じよう勉強している現役生に差をつけることは難しいのです。

部活動などに熱中している現役生たちが受験勉強にまだ力を入れていない春から夏にかけて、どれだけ差をつけることができるかで第一志望校合格が決まるといっても過言ではないのです。

キリギリスのようにならないためにも、春のモチベーションを維持して勉強に取り組みましょう。

 

② 夢見がちな男子、現実主義な女子

性別ですべての行動が決まるわけでは当然ありませんが、意外と性別によって一定の傾向を見出すことはできます。

経験上、男子浪人生の過半数は4月当初の目標をとても高く設定します。

おそらく「せっかく浪人したのだから」という気持ちが強いからなのでしょう。

ただ、そのうち半数ほどは目標の高さに行動が伴っていません。

授業に身が入っていなかったり、課題の提出状況が悪かったり、「ゆるい」学生が多いと感じます。

 

模擬試験のシーズンに入っても、9月くらいの模擬試験は「まだまだこれから」くらいの気持ちでいるのですが、さすがに11月になると模擬試験の判定信頼度が高まってきます。

この時に第一志望校がD判定やE判定だったりすると、とたんに焦りだします。

内心「正直、これから受験勉強に力を入れ始めても第一志望合格はキツイよ・・・」と思っていても講師としてなんとかフォローしないといけませんから大変です。本当に。

ですが一方で、計画的に取り組んでいる男子浪人生たちは基本的に結果が伴っています。

どちらの半数に入ることができるかは、気の持ちよう次第です。

 

女子浪人生たちは男子より現実的な学生が多かった印象です。

志望校も堅実。

やるべきことをしっかりこなすという点では、おおむね男子よりも優秀です。

ただ、言われたこと以上のことをやる学生は少なく、そのため、学力が頭打ちになった時の突破力は弱かったように思います。

8月・9月の模擬試験結果で一喜一憂するのは女子に多かったように思います。

しかし、10月・11月ころになると、今の学力で合格可能な場所を現実的に設定してくるので、パニックに陥る確率は男子よりも低かったように思います。

ただ、試験当日にテンパリやすいのは男子よりも女子に多かったので、そのフォローは少し大変でした。

 

③ 基礎が弱い人ほど問題演習に飛びつきがち

基礎学力がつく前に演習を数多くこなすことで、パターン学習に陥る学生が毎年のように現れます。

どの科目でも、問題を解く以前に理解しておくべき「原理原則」があります。

それをすっ飛ばし、とにかくたくさんの問題を解くことで「演習慣れして得点力を上げよう」という傾向をもつ学生がいます。

たしかに、演習問題を解くことで出題傾向を把握できますから正答率は高まります。

しかし、今までに出題されたことがないパターンの問題には全く対応できないので、新傾向問題が出た時に実力不足が露呈してしまうのです。

特に昨今は、センター入試の廃止が決定したり、私立大学が難化するなど大学受験業界の変化が著しいですから、これまでの出題傾向が当てにならないことも増えてきました。

少なくとも、復習の土台ができ上がる夏までは、基礎理解や基本問題の徹底に終始して基礎的な学力アップを図りましょう。

④ 予備校のカリキュラムによりかかりすぎて、自分での勉強を怠りがち

予備校では、授業カリキュラムが組まれ、一定の課題が与えられます。

それらの課題をクリアすることで確かにある程度の学力アップを図ることはできますが、本当に実力をつけたいならそれ以上の自主学習が必要です。

予備校の授業で出された課題をクリアすることだけで満足してしまい、空いた時間を無駄にしてしまう浪人生はたくさんいますが、予備校の課題は「おまけ」程度で考えたほうがいいです。

大切なことは、自ら参考書を読んだり問題演習を解く自主学習なのです。

 

予備校のメリットとしては、継続して快適に勉強できる環境が整っていることが挙げられます。

自主学習で分からないところは、講師に質問することですぐに解決できます。

学校時代に「優等生」だった学生ほど予備校や講師に頼りすぎる傾向にありますので、予備校や講師を絶対視するのではなく、あくまで自分で受験勉強を進めるということを重視しましょう。

 

⑤ “誘惑の夏”に負けてしまいがち

夏は誘惑の季節です。

夏期講習会に通っていても、すべての時間を勉強に費やすわけではありません。

時には、高校時代の友人たちから遊びに誘われるかもしれません。

1日、2日遊ぶ程度のことで受験には大した影響は与えませんが、連日遊びに費やしたり、勉強するモチベーションの大幅な低下に繋がったりしたら一大事です。

 

夏休みに入ると、世の中は「夏をエンジョイしよう!」という雰囲気に包まれます。

しかし、そういった世間の空気に染まってしまうと、4月から大切に保ってきた受験勉強のリズムが一気に崩れてしまうことがあります。

多くの予備校は「夏を制する者は受験を制する」という類のキャッチコピーを掲げて夏期講習の募集を行います。

もちろん生徒募集の広告ではあるのですが、このキャッチコピーはとても的を得たことを言っています。

夏場に自分自身を律することができる意志の強さを持った学生が、秋以降の模擬試験ラッシュを乗り切ることができるとも言えるのです。

 

毎週のように繰り返される模擬試験では、復習するべきことが山ほどあって、思うように弱点補強ができなくなります。

自分の大きな弱点は、夏期講習などの機会を通じて夏までに無くしておかなければならないのです。

誘惑の夏に打ち勝つ学生だけが、秋冬の戦いに勝利し、素敵な春を迎えることができるのです。

 

⑥ 志望校選びで親子バトルが起こりがち

予備校で志望校を決める際、高校生時代に大学選びをしたときと比べてより慎重にしっかりと考える学生が多いです。

そして、親が子の志望校選びに口出しするケースも多々あります。

正直、浪人生側からしてみれば「余計な口出しはしないでほしい」ですよね。

とはいっても、受験費用や入学後の学費を出してくれるのは多くの場合、親です。

つまり、受験生にとって親はスポンサーなのです。

 

受験生は自分自身の合格のための勉強に加えて、いかにスポンサーから進学費用を引き出すかという交渉をすることも重要なのです。

志望校への出願は、親との交渉の結果次第というのが現実なのです。

私自身、親と志望校についての主張が対立してバトルしていた浪人生を間近でたくさん見てきました。

大学に通うときに必要なのは学費だけではありません。

交通費や、場合によっては遠方に住むための生活費も必要でしょう。

いったいどのくらいの金額がかかるか、受験生の皆さんは把握しているのでしょうか?

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親からすれば、子供を大学に行かせるのは人生の大勝負といっても良いほどの出費がかかるビッグイベントなのです。

それゆえ、子が出願する大学に関しても親なりの考え方があります。

親の考えと自分の志望をしっかりとすり合わせることが大事です。

かつて、親と受験生の意見がセンター試験直後まで一致せず、講師である私が間に立って志望校決定のアドバイスをしたことがあります。

これは本人の親を説得するためのプレゼン能力が不足していたのが大きな原因だったのですが、同時に親とのコミュニケーション不足も一因だったと思います。

出願直前のバトルを回避するためにも、親とのコミュニケーションはしっかりとりましょう。

 

まとめ

  1. 4月のモチベーションを一年通して維持できたものが受験に勝つ
  2. 性別によっておおまかな傾向あり。
  3. 演習問題は基礎力を十分つけてからにしよう。
  4. 予備校に頼りすぎは危険。自主学習をメインにしよう。
  5. 誘惑の夏を制するにはあなたの自制心が必要。
  6. 最後の難関は親。スポンサーとは仲良くしよう。

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