3月に予備校の説明会に行き、4月から頑張ろう!そう思った予備校生はたくさんいると思います。
ところが、夏くらいになるとどうしても頑張りが続かない。
やる気が出ないといって休みがちになる学生が出てきます。
「予備校に行きたくない、サボりたい」という気持ちが出てきた時には、いったいどのようにすればよいのでしょうか?
予備校講師の経験から対処法を教えます。
1.授業の内容についていけない場合
予備校の授業は4月から開始されます。
しかし、予備校の授業は高校時代に比べるとかなりピッチが速い授業になります。
なぜなら、高校3年間、場合によってはそれ以前までさかのぼるような授業内容を秋までには終えなければならないからです。
「え、センター試験や二次試験までに勉強すればいいんじゃないの?」と思った方、それは問題演習を大量に解く期間が計算に入っていないです。
習ったことを確実に自分の力にするためには、問題演習を一定量こなさなければなりません。
模擬試験が本格的に始まる秋までに、基本内容の復讐をすべて終え、残りの期間は応用や問題演習に充てる必要があるのです。
ぼんやりしていると、あっという間に授業から取り残され、予備校に行っても授業内容がさっぱり分からないということが起きかねないのです。
授業内容が分からない状態で予備校に通っていても、まったく面白くないですよね?
そうすると、予備校をサボりがちになるのは不思議なことではありません。
授業内容が分からないことが原因で予備校をサボりがちになっているなら、対処法はただ一つです。
つまり、講師や授業を分かっている人に質問して内容を理解できるようにすることです。
結局、志望校に合格するためには予備校の授業内容を把握することは必須ですから、分からないことをとにかく質問して解決しましょう。
2.予備校で人間関係がうまくいかない場合
予備校といっても、毎日勉強だけの生活ではありません。
机を並べて一緒に学ぶ人間がいる以上、そこに人間関係は発生します。
学生同士だけではなく、学生と講師の人間関係もあるでしょう。
そういった関係性は、ちょっとしたが原因で悪化することは珍しくありません。
- 「自習中に聞いているスマホの音楽の音漏れがうるさい」
- 「貧乏ゆすりが嫌だ」
- 「授業中にうるさい」
- 「やる気をそぐようなことを言ってくる人がいる」
などなど、私は予備校講師をしていて様々な相談を受けてきました。
もちろん、相談に応じて解決できるものは解決に協力しましたが、解決できないこともたくさんありました。
しかし経験上、そんな問題の多くは「時間」が解決します。
なぜなら、秋になり模擬試験のシーズンになると自分自身の成績でいっぱいいっぱいになり、多少の人間関係のいざこざは気にならなくなるからです。
秋・冬は、自分の目標にひた走るしかなくなるのです。
自分の目標を明確にし、それに向かって走るようになるまでしばらく辛抱することも大事です。
しかし、我慢できなほどに人間関係に悩んでいる場合は講師や家族にすぐに相談しましょう。
予備校は、受験勉強をするための場所です。
そんな場所で面倒な人間関係を抱えて勉強に集中できないというのは、本末転倒です。
予備校側には「受験勉強に集中できる環境」を学生に提供する義務がありますが、やはり時には限界もあります。
最悪、予備校を辞めてでも受験勉強に集中できる環境を作ることをおすすめします。
3.大学に進学した友人と遊んでしまう場合
大学が夏休みになる夏ごろ、帰省してきた友人たちに遊びに誘われる予備校生は多いです。
勉強だけでは息が詰まってしまいますから、気分転換に遊ぶことは悪いことではありません。
しかし、予備校生たちは友人たちと遊びつつも、大学生活を謳歌している友人たちをつい羨望のまなざしで見てしまい、浪人生活をしている自分自身の境遇を振り返ってしまいます。
「なんで、自分だけこんなに勉強しなければならないんだろう…」
まあ、講師としては「去年うまくいかなかったからでしょう?」と思ってしまいがちになりますが、浪人生活を送っている当の本人たちにとっては思いのほか自分の境遇を受け入れがたいでしょう。
浪人をしているからといって、自分のことをいたずらに卑下する必要はまったくありません。
それよりも、遊びすぎて貴重な受験勉強の時間が削られてしまうことを恐れましょう。
友達との遊びに逃避することなく、自分がやるべきことに専念しましょう。
実際、夏の過ごし方で志望校の合否は大きく変わります。
予備校生になって”キリギリス”になってしまい、予備校をサボりがちになった挙句、2浪・3浪と同じ失敗を繰り返した学生も見てきました
夏は長いです。
夏の誘惑に打ち勝った者だけが、次の春に笑うことができることを思い出しましょう。
4.予備校に来た目的をもう一度考え直そう
予備校に通う目的は、受験勉強をするため以外にはありません。
予備校をサボりがちになる学生に共通して言えることは、
「自分自身がなぜ予備校に来て、もう一年受験勉強を頑張ろうと思っていたのか」
その目的を見失っているということです。
分からない単元や問題を分からないまま放置したり、目の前の人間関係や高校時代の同級生の動向に心を乱されてしまうのは、自分が予備校にいる目的が分からなくなっているからではないでしょうか。
そういう学生の場合、なぜ大学に行きたいのか?というそもそもの動機が欠けていることが多いです。
一見、予備校に通うことは1年間を無駄にして遠回りしているように見えるかもしれません。
しかし、この1年は自分を見つめなおす絶好のチャンスです。
自分がどうして大学に入りたいのか、自分が何になりたいのか。
自分に問いただすことができるのですから。
ここで自分に向き合う経験は、就職活動でも必ず生きてきます。
ただ何となく大学生になってしまった人は、就職活動の中で自分が何になりたいのかを考えますが、予備校生は予備校時代にその予行演習を行う機会を与えられているのです。
「成りたい自分」を探すため、予備校の1年間を有効に使ってはいかがでしょうか。
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まとめ
- 授業についていけないなら、理解できるまで講師に質問しよう。
- 人間関係が原因でさぼりたくなるなら、周りに相談しましょう。
- 友達とつい遊んでしまったり自分の境遇に納得できない人は、自分のやるべきことを書き出して一つづつクリアしていきましょう。
- 目的意識を明確に持ち、予備校に通うことの動機づけを自分で強化しましょう。
継続的に勉強を続けるというのは、実はとても難しいことです。
予備校に行きたくないという気持ちもとても良くわかりますが、一年間辛抱強く耐えれば大学生になれます。
予備校に通っている意味をしっかりと考え、「とにかく勉強すること」を第一におきましょう。