大学進学は人生の重要な節目です。


と悩んでいる高校生たちのために、大学選びで必ず意識して欲しい5つのポイントをまとめてみました。
大学の進学率(2021年現在)
文部科学省による2018年3月の最新の調査結果によると、2018年の大学(学部)進学率は49.7%でした。
ここ数年、大学の学部への進学率は約50%をキープしており、短期大学への進学率に関しては約5%を維持しています。

大学選びは超重要!

近年、約50%の高校生が大学(学部)へ進学しており、「大学進学が当たり前」という時代になっています。
ですが、大学は受け身の姿勢で学ぶ場所ではないのです。
自分が将来、もしかすると一生をかけて追及するかもしれない分野について自分から学びに行く場所なのです。
人生には多くの節目が存在しますが、大学選択が自分の意志で人生の進路を決める初めての機会になる方も多いです。
大学に行く必要性、高い授業料を払ってでも学ぶ覚悟が本当に自分にあるのか考えた上で、それでも大学に行きたいという方。
そんな方は、これから説明する大学選びで必ず意識するべき5つのポイントを参考にしてください。
【1】大学は学部から決めるべし
卒業後に進みたい分野が決まっているなら、それに関連する学部に必ず入ることをおすすめします。
そして大学選択の際は、

の順番で検討しましょう。
受験生たちの中には、進路を決める際に学部(専攻分野)よりも大学名を重視する方々が一定数存在します。
つまり、興味のある研究分野よりも「大学のネームバリュー」を求める方々ですね。
どの大学も、学部によって偏差値や入試レベルにギャップがあります。
そこで、たとえ自分がまったく興味がない学部であったとしても、「とにかく有名大学の比較的偏差値が低い学部に入ろうとする」身の丈に合わないプライドを持った方々が出てきます。

ですが、大学のネームバリューばかりを追いかけ、学部学科選びを意識しなかった学生は必ず痛い目をみます。
興味の無い分野の学部に行ってしまうと、授業に行くモチベーションが本当になくなってしまうのです。


「実際、とにかく毎日学校に行っとけば留年しないでしょ。」とか思ってしまいますよね。
正直、そのとおりです。
毎日学校に行って真面目に授業を受けておけば、もちろん留年する確率はグーンと下がります。
しかし、興味が無い分野の授業は本当に退屈で、多くの大学生は授業に行かなくなります。
そして期末テストで一発勝負をかけるも失敗し、単位数が足りずにどんどん留年してしまう学生が出てくるのです。

必ず、自分が興味を持てる分野に関連した学部・大学を選びましょう。
また、

なら、まず自分が進みたい道が「理系」なのか「文系」なのかを考えてみましょう。
もっと言うと、将来「研究開発・製造の方向に進みたいのか」「営業・総務・経理などの道に進みたいのか」などですね。
理系学部の多くは就職活動が比較的楽ですが、研究や実験ばかりで大学生活がとても忙しいです。
さらに、多くの理系学生が大学院まで進学しますので、学生として勉強する期間が長くなることも覚悟しなければいけません。
しかし、研究室からの推薦で企業から内定をゲットするパターンや、自分の研究テーマにあった企業からスカウトされる機会がよくあります。
【関連】理系の学部選びの方法|後悔しないための6つのアドバイス
一方、文系学部の多くは余裕のある大学生活を送りやすいですが、就職活動が比較的大変です。
文系学部生の場合、学部生レベルの自分の研究内容で他の文系就活生たちと明確に差別化するのは難しいため、就職活動では積極的に何社も受ける攻めの姿勢が必要になりがちなのです。
理系学部と文系学部では受験に必要な科目も異なりますから、文理選択は高校生のできるだけ早い段階で決めておきましょう。
※もちろん、大学によって例外もあります。
また、もし学びたいことが決まっていないのであれば、こちら「学びたいことを調べる」を参考にしてみてください。
● 大学選びよりも学部選びを優先するべき
● 文系?理系?
【2】卒業後や就職先を意識する

大学進学を決めているにも関わらず、肝心の行きたい大学が決まっていないという学生の方。
そんな方は、以下の問に自信を持って答えられるでしょうか。
●「何のために大学に行くのか」
●「大学で学んだ知識を何に役立てたいのか」
●「卒業後はどんなフィールドに立ちたいのか」
この問に2つ以上明確に答えられるという方は、将来成りたい自分を想像してみましょう。
そして、「将来成りたい自分」から逆算して「行きたい大学」を考えてみましょう。
この方法が、私が最もおすすめする大学選びの方法です。
ですが、そんな方法で大学を決める学生たちはそもそも大学選択に迷いませんよね。
この記事を読んでいる方の多くは、将来やりたいことが明確に決まっていないという方のはずです。
ちゃんと大学卒業後を明確に意識して、大学選びをしている学生はとても少ないのです。
私も大学選びをしたときは、自分の将来のイメージについて明確にできていませんでした。
しかし、卒業後どうするかを意識することは本当に大切です。
別に”決め”なくてもいいのです。”意識する”だけでも十分なのです。
卒業後を常に意識して大学に通えば、卒業が近づくにつれて「将来に対する危機感」が高まります。
そしてその危機感は、大学在学中に積極的に行動を起こす原動力になるのです。
大学卒業後の進路(2018年卒)
ここで、2018年3月に大学を卒業した大学生たちの進路データをご紹介します。

就職 | 77.1% |
進学 | 11.8% |
就職も進学もしない | 7.0% |
その他 | 4.0% |
参照:[pdf]平成30年度学校基本調査(確定値)の公表について(文部科学省)
近年の傾向としては、大学を卒業後に進学を選ぶ学生が徐々に減り続けてきており、その反面、就職を選ぶ学生が増え続けていることが挙げられます。
大学(学部)を卒業した後、大学院や専門学校に進むのか、就職を選ぶのか、それともこれら以外の道に進むのか、大学選びの段階で決めておけるとスムーズに大学卒業後の進路も決まるでしょう。
参考にしてみてください。
どんな大学生活を送るかが大事
私の体感ですが、明確な目的を持って大学生活を送っている大学生は全体の1割もいません。
ですが、明確な意志を持って大学に通っている大学生はたしかに行動し続けています。
●「公認会計士の資格を取るために勉強 ⇒ 勉強漬けの日々を続けて2年生で試験に合格」
●「起業準備のために2年間休学 ⇒ 心変わりして復学」
●「研究者を目指す ⇒ 論文を読みまくり、通学時間が勿体無いから大学近くに引っ越す」

しかし、こんなに行動力のある大学生は本当に少数派なのです。
大学生活はサークル活動やアルバイト、ゼミや研究室など楽しいことがたくさんありますから、ついつい将来のことについて考えなくなってしまいます。
そして、将来のことを考えた行動を取らなくなってしまうんです。
大学生活中も強い意志を持って何かに取り組み続けるというのは、なかなか出来ることではありません。
大学生活を無駄にしないためにいったい何に貴重な時間と労力を使うのか、自分が納得できるまで考えておくと入学後にスムーズに行動できるはずです。
● 将来どんなことをしたいのか
● そのために大学で具体的に何をしたいのか
【3】偏差値を意識しすぎない

大学進学を意識している学生の多くは、偏差値を基準にして大学を選んでいます。


偏差値は数字で表されているので分かりやすいですし、模試を受けると必ず自分の偏差値は出ます。
学校や塾の先生たちも「論より証拠」と言わんばかりに、進路相談の際に偏差値をネタにすることが多いです。
それに偏差値が高く知名度の高い大学の学生の方が、就職活動の際に企業から高い評価を得やすい傾向にあるのも事実です。
しかし、偏差値を偏重する受験業界の雰囲気に呑まれてはいけません。
たしかに偏差値はそれぞれの大学のレベルを示す重要な要素ですし、偏差値が高い学校に行くことで就職活動の際に選択肢の幅が広がります。
ですが、偏差値だけを意識して大学選びをすると痛い目をみます。
具体的には、
●「行きたい学部じゃなかったけど、合格した中で一番偏差値が高い学部に進学した。でも授業内容にあまり興味がわかず、難易度の高い授業を受け続けるモチベーションが続かない」
●「進学する大学を決定するまで偏差値しか見てなかったけど、いざ通ってみるとキャンパスの雰囲気や立地が気に入らない」
などが挙げられます。
こういう大学生は結構いますし、後悔して2年生から転部・転学しようとする学生もいます。

やはり勉強する目標や意味がなければ、大学に通う気力はどんどんと失われていきます。
行きたい大学や学部があるのであれば、偏差値を意識しすぎないようにしましょう。
しかし、「偏差値は無視しろ」と言っているわけではありません。
偏差値はとても参考になるデータです。
これは間違いありません。
偏差値は、目標の大学の合格レベルと自身の学力を簡単に数値で比較できるので、自分の学力レベルや苦手な分野を分析する時にとても役立ちます。
また、就職活動に焦点を当てると、
企業の学歴フィルターが大学の偏差値をもとに設定されていることも多いです。
「できるだけ偏差値が高く、知名度の高い大学に行く」というのは、大学受験において一般的に正解と言える行動です。
しかし、それでも偏差値のみを基準にして大学選びを行うべきではないのです。
大学選択において、たしかに偏差値も意識するべき要素のひとつではありますが、
偏差値だけを絶対視するのではなく、「本当に自分が4年間も通える大学・学部なのか」冷静に考えてみてください。
【関連】偏差値50ってどのくらい? 学力偏差値について最初から丁寧に教えます
● 自分が本当に興味のある学部を選ぶ
● キャンパスの雰囲気や立地にも注目する
● 最後に迷ったら、偏差値の高い大学に行くべき
【4】本当に4年間通える?
一部の学部を除いて大学は基本的に4年制ですが、
休学や留年などさまざまな理由で4年間の通学だけで卒業できない学生も多いです。
事実として、全学生の約2.5%が毎年なんらかの理由で中途退学しています。
※2020年~はコロナ禍の影響で中途退学率が上昇していると考えられます。

特に学部・学科選択の失敗によって、大学一年生で大学を辞める学生は意外なほどに多いです。
自分が興味を持てない授業はひたすらに退屈ですから、学部選びに失敗した学生たちは授業をサボりがちになってしまうのです。
しかし、もちろん授業に出席して試験を突破しなければ単位は出ません。
授業に出席しなくなる
⇒ 必然的に単位が落ちる
⇒ 授業に行く気力がますます湧かなくなる
このループにハマってしまうと抜け出すのは容易ではなく、結果として、大学を辞めるということにつながっていくのです。
また、自分が興味のある分野の学部に入っていても、
レポート課題が多かったり、試験が難しかったりで授業についていけず、
結果として授業をサボりがちになる学生もいます。
このような学生たちも、魔のループにハマってしまいがちです。
その他にも、進学した大学に対して特別感(優越感)を感じなくなった結果、
大学に通うモチベーションを保てなくなるというケースもあります。
たとえ世間では「高学歴」に分類される大学であっても、学内にいるのは当然同じ大学の学生たちばかりです。
高校生の頃までは憧れていた大学だとしても、入学してしまえば「特別感」は薄れるのです。
そしてその結果、通学するモチベーションが続かなくなるんですね。
大学受験で燃え尽きてしまう方はいます。志望校合格という目標を失った後が大切です。

この項目で言っておきたいのは、
「本当に4年間以上も大学に通うことができるか」
「自分が楽しんで大学に通うことができるか」
を考えることも重要であるということです。
大学は卒業するまでが目標なのですから、自分に合った大学を探すように心がけましょう。
※大学の学費の支払いが心配だという方はこちら(大学の費用はどうしてる?大学進学のお金が不安な方へ14の提案)を参考にしてみてください。
【5】周りに流されない
結局、自分の行きたい大学・学部に進学するのが一番です。
周りの人々が、それぞれ自身の「大学選び論」を親切に語ってくれるでしょうが、
大切なことは「あなたがどうしたいか」なのです。
ありきたりな話になりますが、他人の意見にしたがって進学した大学で後悔しても、誰も責任を取ってはくれません。
あなた自身が本当にしたいことは、家族含めて他人には分かりません。
かの有名な幕末の志士である坂本龍馬も、以下のような有名な言葉を残しています。
「世の人は我を何とも言わば言え 我なす事は我のみぞ知る」
(世の中の人が分かってくれなくても、自分が分かっていれば十分なのだ。)
by坂本龍馬
大学選択について他人に相談することは大切なことではありますが、最後はあなたの意志で進む道を決めるべきです。
自分で考えた結果、「大学に進学しない方が良い」と思うならば、わざわざ大学に行かなくてもいいのです。
しかし、本当に大学に進みたいと思うのであれば、
高校を卒業してすでに社会で働いている同年代の人たちに、
胸を張って「自分は大学生だ」と言えるような大学へ進んでください。
若さ溢れる貴重な4年間を無駄にしないよう、自分が本当に通いたい大学を選ぶことが重要なのです。
【関連】学歴は社会では関係ないって聞くけど本当?|知っておくべき学歴の価値とは
具体的な大学選びの方法
将来働きたい業種を探そう

大学や学部は、将来就きたい職業から逆算するのが最もおすすめです。
ですが、「行きたい大学を決めるために、まずは将来就きたい仕事を決めなさい」なんて言われても、そんなに簡単に決められないですよね。
就職は人生に関わることですし、そもそもその職業のことについてよく知っていないといけません。
なので、将来やりたいことが分からない!という高校生の方は、まずは自分に合った職業を探してみましょう。
まずはたくさんの職業について調べてみて、その中から自分に合った職業を探すのがもっとも手っ取り早いです。
大学・学部選びをスムーズに行うためにも、まずは目指す職業から考えてみましょう。
参考 ⇒ 将来の仕事を調べる
もしあなたが大学に行く意味について悩んでいるなら、ぜひこちらの記事も参考にしてみてください。