ここでは、現役の法学部生が選んだ法学部のあるある7選をまとめています。
「法学部は他の学部と何が違うのか」
「法学部は何が大変なのか」
「法学部に入る前に知っておくべきこと」
をご紹介します。
法学部についてあまりイメージが湧いていない方は参考にしてみてください。
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【1】教科書多すぎ
法学部では、必要な教科書がとてもたくさんあります。
例えば、民法の勉強をする際には民法の基本書が必要ですが、 民法の教科書は基本的に、
- 『総則』
- 『物件』
- 『担保物権』
- 『債権総論』
- 『債権各論』
- 『親族相続』
に分かれています。
これだけでも6冊ですが、さらに法律の勉強する際には条文を引かなければならないので『六法』も必要になります。
さらに、重要な判例を勉強しなければならないので、『判例百選』はほぼ必須の教材です。
また、基本書と判例集だけだと論文問題を解く際に「どうやって回答したらいいかわからない」時が多いので、司法試験の過去問集や『演習書』と呼ばれる問題集を使用することが多いです。
この他にも、条文ごとに法律を改正した逐条形式のテキストもあると便利なのでこれを使用している人もいます。
つまり、法律一科目を勉強する際には、
- 「基本書」
- 「六法」
- 「判例集」
- 「問題集」
の4種類の書籍が少なくとも必要なのです。
前述したような逐条形式のテキストや、 作ったレジュメを持ち歩くととてもカバンが重くなります。
さらに、1日に何科目か授業を取っていると、そのたびにプリントが増えるのでカバンがめちゃくちゃ重くなります。
僕の通っている大学では、受験は任意ですが試験に受かると定席とロッカーを付与される制度があるので、それを利用して大学に教科書をおきっぱなしにしている人も多いです。
また、本当に必要な教材だけは購入しておいてたまにしか使わないものは大学図書館で借りるなどすると荷物が少なくなりますね。
【2】事例問題の登場人物悪いことし過ぎ
学部試験などで出題されるいわゆる事例問題では、登場人物のほとんどが結構悪いことをします。
例えば民法の定期試験だったら、土地建物を A さんが B さんと C さんに二重に売ってしまう事例がよく出題されます。
会社法であれば、株主総会の決議を取締役の都合のいいようにするために、大株主に何億円というお金を取締役が会社財産を使って払ってしまったりします。
さらに危険なのは刑法です。
僕が見た中で一番ひどかった事例問題では、
同居している女性のクレジットカードを使って高級な腕時計やパックを購入した上、
そのことを女性に咎められると、女性を始末して女性のハンドバッグからキャッシュカードを奪い、
さらに、そのキャッシュカードを使ってATMでお金を引き出そうとしたところ係員が近づいてきたので、係員に危害を加えて逃走した。
という事例問題がありました。
小学校から中学高校までの問題では良い人ばかりが出てきたような気がするのですが、法学部に入ると急にどうしようもない悪人ばかりが定期テストに出てくるようになります。
【3】試験前の授業の時に教室がいっぱいになる
法学部は、基本的に「法律科目は出席を取らない」という大学が多いです。
そのため、出席を取らないのをいいことに授業に行かなくなる学生がとても多いです。
それを先生方も知っていて、欠席者が出ることをあらかじめ見込み、本来であれば履修者全員が入りきらないような教室で授業を行うことがよくあります。
履修者全員が入るような教室で授業を行うと空いた席が目立ちますから。
しかし、試験前になると試験範囲を先生が発表したりする可能性があるので、今まで欠席していた学生も急に授業に出てくるようになります。
そうすると、教室に生徒が入りきらずに立ち見になってしまったりします。
試験が近くなってきたら、早めに教室に入って座席を確保した方が良いでしょう。
ちなみに、座席を確保する際には荷物を置いて確保すること多いと思いますが、法学部生が席を確保する際には『六法』で席を取ることが多いです。
六法はみんなが持っているので盗まれる心配はほとんどありませんし、重くて大きいので存在感があり、席を確保する際に多用されています。(笑)
余談ですが、六法は非常にページが薄くてページ数も多いのでふかふかです。六法を開いて顔を埋めると昼寝をする時にとてもよく寝られます。
私は空きコマの時間などは図書館で六法を開いて、その上に頭を乗せてよく昼寝をしています。
【4】試験後に色々とうんちくを語っている人ほど成績が良くない
法律の学部試験が終わった後、
「あれは〇〇が問題になってたよね~」
「判例を知ってたから解けたけど、知らなかったら解けないよね~」
「この条文を適用すればよかったよね~」
などと、試験終了後に大声で話している人をときどき見ます。
一見、彼らは法律の試験がとても出来るように見えるのですが、そういう人たちの成績はなぜかあまり良くないです。
できる人ほど、「自分の解答に誤りがあるのではないか」と心配になっていることから、試験後には試験の話をあまりしたがりません。
司法試験でも、「めっちゃ書けた!俺天才かも!?」と思ったら、試験に落ちてると思った方がいいとよく言われますが、私の経験則上これは学部試験に当てはまるようですね。
【5】知人からの法律相談に答えられない
法学部に在籍していると、
といったような質問を友達から受けることが時々あると思います。
しかし実際、日常生活で問題になるようなことは大学の最初の方で学ぶ民法憲法刑法などでは解決できず、その他の細かな法律に規定されていることが多いので、意外と友達からの法律相談には答えられないです。
大学3年生ぐらいになれば著作権法、倒産法、経済法、労働法といった科目の履修できるようになるので、
3年でしっかりと勉強すれば、もしかしたら友達からの法律相談にも答えられるかもしれませんが、基本的には難しいです。
また、 ビジネス実務法務検定などでは幅広く法律の知識が問われているので、この試験の対策をしておけば、色々な法律を知ることができて法律相談にも答えられるようになるかもしれません。
【6】「ソクラテスメソッド」が怖すぎる
「ソクラテスメソッド」というのは、法学部においては、
という流れで授業が進んでいくというものです。
つまり、対話型の授業です。
法科大学院ではこの授業の形式をとっているところも多いようですが、法学部においてもこの授業方式を採用している先生がいます。
このような授業では、教授の質問に対してしっかりと答えられるように必ず予習をしていかなければなりません。
しかも、一つ質問に答えると、自分が答えた内容を踏まえて教授からさらに質問がなされます。
途中の回答で間違えてしまった場合、どんどん答えがそれていってしまい、最終的に変な結論になってしまったり、途中で答えられなくなったりしてとても恥ずかしいです。
つまり、いい加減な答えで逃げることができないのです。
このソクラテスメソッドによる授業は、法学を学ぶにあたっては一番知識が定着しやすく、非常に良い授業形式だとは思います。
ただ、教授に質問されてうまく答えられなかった時は変な汗をかきますし、授業が終わった後はヘトヘトになってしまいます。
楽に単位を取得したいと思っている人は、ソクラテスメソッドを採用している授業は取らない方が良いでしょう。かなり大変です。
【7】法学部は意識高い人多すぎ
最近では、「法学部があまり人気がない」「凋落している」などと言われています。
しかし、そんな中でも法学部に入学して来る学生には非常に意識の高い人が多いです。
意識高い”系”ではありませんよ。本当に意識が高い人たちです。
弁護士、検察官、裁判官 などの法曹三者や司法書士、行政書士などの法律実務家、 国家公務員、地方公務員等を目指して大学1年生からしっかりと勉強を続けている人も多いです。
法学部の授業は、 資格取得に直結するような内容を扱っている場合が非常に多いです。
例えば、民法は法律系資格のほとんどで試験科目に入っていますし、六法+行政法のような法律の基本的な科目は様々な試験で問われています。
そのような法学部の特徴から、資格取得や公務員を目指す真面目な学生が多いのかもしれません。
以上が、現役の法学部生から見た法学部のあるあるです。
法学部は真面目な学生が多く、文系学部の中では一番授業が大変なのではないかとも思います。
「大学生活を楽に過ごしたい」というのが主目的なのであれば、法学部を志望するのは考えたほうがいいでしょう。
しかし、まじめ上等!取りたい法律系の資格がある!という方はぜひ法学部に来てほしいと思います。
実際に入学して法学部の魅力を体験してみてください。
ちなみに、法学部のある学校についてはこちら(法学とはどんな学問?研究内容や学び方などを解説)で調べられます。