数学科のあるあると就職先|ヤバイ魅力を詳しく説明します!

数学科のあるあると就職先|ヤバイ魅力を詳しく説明します!

数学科の魅力や就職先・大学院進学について、物理学担当の大学非常勤講師が詳しく解説します。

数学科は、理学部の中でも特に”頭が自由な”人たちの集まりであると言っても過言ではありません。

数学科に少しでも興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。

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大学で数学を学ぶということ

高校までの数学は”とても実用的で”、知っておいて損はない内容を学んできました。

え〜〜!微積とか、マジ役に立たない

という声が聞こえて来そうですが、日常生活を送る上で数学の効果は表面上見えにくいだけでして、私たちの社会で数学が頑張っているのは事実ですから、実用的である点は認めてあげましょう。

さて、高校数学に対して、大学の数学はどうかというと、

●実数から複素数へ、

●3次元空間から多次元空間へ、

●連立方程式から行列方程式へ、

●微分積分から微積分方程式へ

など、これまで習ったものから出発して、その外側へ外側へと触手を伸ばしていきます。

中学生の時、負の数(0より小さい数の概念が存在すること)を習ったときのように、数や「数の入れ物」自体の世界がどんどん広がります。

数学科に属する方々は、「いったん、こう!」と法則または規則を決めてしまったら、それに則って、どんどん研究対象の可能性を広げていくことを生業(なりわい)としています。

いったい、これが何の役に立つのか?

なんて考えていては勤まりません。

徹底的に思考を拡大させていきます。

 

たとえば、高校でも微分の計算が得意な人はたくさんいますよね。

でも大学で微分を学ぶ最初にやることは、「極限とは何か」という定義付けです。

なんと微積の大学の教科書の厚さが2cmくらいとすると、4mm位の厚さがその説明に費やされます。

「微分する」とは、どこの傾きを見ているのか?

という定義です。

1.0での傾きか、1.0000での傾きなのか?

ということですが、我々に取ってはどうでも良いことでも、その桁(ケタ)が問題なのです。

だって、これでコンピューターを作ったら、いまや電卓でも10桁の計算をしますから、とたんに電卓は「どこの計算をしたら良いの?」とフリーズして破綻します。

 

キーワードは「より厳密に、より一般的に」です。

何度試行しても、いつも同じ計算、結果が成り立たないといけません。

そして、どの数字でも成り立つということは、どの数字も「a」「n」に変身させられます。

高校のときでも時々出て来たような、3桁を4桁で割る計算などしなくてよくなるのです。

だって、それは「a/n」で表して終わりになるのです。

一般化することで法則は成り立っているのです。

 

数学科あるある

1、四則演算が苦手

”数学”科の学生といっても、数字を使って計算するようなことはほとんどしません。

大学の数学で出てくるのはほとんどアルファベットやギリシャ文字で、四則演算をするときも6÷2くらいという具合です。

そのため、必ずしも「数学科の学生は計算力が高い」とは、言い切れないのです。

おかげで、数学科の学生がグループでレストランに食べに行って割り勘にする時に、結局、携帯を引っ張りだして電卓をたたくようなことが起きるのです。

 

2、重箱の隅をいつまでもつついていられる

これは、プロの研究者として必要な特殊能力ではないでしょうか。

一般社会ではありえないことですが、議論が本筋から外れようがどうしようが、

「固執すること=探究すること」

なのです。

自由な頭の人たちは、時間からも自由ですから、ゼミの終了時間が過ぎていてもおかまいなしなんてことはよくあります。

 

3、文系か?と錯誤する

先に書いたように、自分で作った規則に従って次元を多くしてみたり、扱う変数を多くしてみたりするうち、すべてが抽象化された記号で表され、「論理」で展開されます。

そして、そのうち論理だけが独り歩きし、

もはや文系か?

と錯誤することがあります。

 

就職は?

ここまで数学科について紹介してきましたが、正直、

数学科の学生は就職してもうまくやっていけるの?

と心配になってしまう方もいるでしょう。

しかし、安心してください。

IT産業が注目を集める今、システムエンジニアやプログラマー、AIエンジニアとして巣立っていきます。

 

たとえば、AIエンジニアについてネットで調べると、

AIエンジニアは「データ解析」が主な仕事だから、数学の知識はなくてもいい

などの声があると気づきます。

しかし、コマンドの中にある「パラメーター最適化」と呼ばれる情報の取捨選択する数字の操作には、大学に入ってから習う多変数微分である「偏微分」が使われたりします。

微分積分学・線形代数学・確率論、統計学の分野についての理解が無ければ、業務を行うことはできません。

数学科を卒業し、このようなITの道へ進む学生はとてもたくさんいるのです。

 

また、高校の数学の先生を目指す人もたくさんいます。

教育学部で取得可能な教員免許は主に小中学校ですから、高校の先生を目指すなら学部に進学する必要があります。

ただし、少子化の影響もあって狭き門となっているようです。

そして意外かもしれませんが、銀行や信用金庫、証券会社など金融機関へ就職する学生も相当数います。

なぜならば、マーケティングといわれる市場動向を探る解析には必ず確率統計、微積分の知識が必要となるからです。

金融工学や経営工学と言われる分野が最近目立つようになりましたが、これらも解析学を基礎として株式投資やリスクマネージメントをしていますから、数学科が得意とする分野です。

あ、それから今注目の「ゲーム理論」も数学科で学ぶことができますよ。

 

大学院への進学について

大学院に進学する場合は、

これが研究したい!

という課題が見つかったら本当に楽しいかもしれません。

就職する時に、

”これ”をもっと勉強したいから大学院に進学しました!

とちゃんと自己主張できるようにしておくことが重要です。

「就職できなかったから大学院に進学する学生もいる」ことを企業側も知っていますので、そこは対策が必要ですよ。

 

また、就職を視野に入れて、大学院では工学部の情報系や暗号系に進む学生もいます。

暗号系というのは、簡単に言うと、みなさんのログインIDやパスワードを守るための技術です。

これらの文字列は追跡できないように暗号化されて、企業などのサーバーに保管されます。

企業などの情報は、個人情報を含め盗まれたら取り返しがつきません。

情報を狙う方々は、あらゆるパターンを数学的に自動検索させてパスワードを突破しようとします。

数学科で学んだことは、セキュリティの技術にも活かせるのです。

 

数学科に進学するならどんな大学?

数学科のある大学は、残念ながら多くはありません。

国公立大学では、「理学部」や「理工学部」の中に数学科があると思いますので、探してもらえばいいでしょう。

中には、「情報科学部」や「経済マネジメント学部」という学部の中に数学科があったりしますので注意が必要です。

私立大学では、もともとの大学の数が多いということもあり、割合を考慮すると多くの大学に数学科があるとは言えません。

それだけ、数学を専攻したいと思う人は「貴重な存在」なのです。

問題は、数学を学ぶ気が満々なのに、学力や偏差値が追いつかないという場合です。

純粋に数学を勉強するのなら、理学部の中のガチガチの数学科を選ぶ必要があります。

しかし、

将来IT関係の会社に就職したい

などと考えているのなら、無理に数学科を目指す必要もないと思います。

むしろ、私立大学の文系寄りの「マネジメントサイエンス」「社会情報学部」「教養学部」などの学部にある数学科を検討するのもいいでしょう。

なにより偏差値にも幅があり、選択肢が増えます。

 

数学科を目指す君へ

高校までのイメージで数学を考えているとしたら、大学に入ってカルチャーショックを受けるかもしれません。

なぜなら、高校までの数学は「解けることが前提の数学」をやっていたからです。

実は「積分できない関数」も「解けない方程式」も、世の中には山ほどあります。

大学で数学を学んでいると、むしろ解けるものの方が少ないことに気づくはずです。

 

私が受験勉強を始めてまず気づいたのは、数学を解くこと自体の面白さでした。

解けないとなると、あの手この手を使って式を変形して、なんとか解けるかたちにします。

「柔道で相手と組んでみてこちら側の手を取って見たり、逆側の袖をつかんでみたりしているのと似ている」と思ったことがあります。

「どんなことをしてでも、解いてやろう!」という意気込みが解説から伝わってきて、感動したことがたくさんありました。

あ〜こんな手があったのか!

と。

受験勉強をする人は、ぜひこのことに注目して問題にあたってみてください。

きっとその経験が数学科(もしくは別の道)に進んだあと、あなたを支えてくれることと思います。

 

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もんでん ひでこ

某大学非常勤講師。物理学担当。最新の大学の様子をお知らせします。
バリバリの理系なのに夫と娘は文系。なので文系の皆さんの参考にもなればいいなと思います。
2浪の末に大学に行って大学院まで卒業したのに、科学館勤務を経て今や漫画家も兼業中。

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