今回は予備校講師の経験を活かして、浪人するか悩んでいる皆さんにアドバイスします!
大学受験生にとって、3月は明暗がはっきり分かれる季節です。
受験勉強を一所懸命頑張った甲斐があって、無事、第一志望校に合格できる学生がいる一方、
まったく興味を持っていなかった滑り止め大学しか合格していない学生も多く見てきました。
一応受験したけど、滑り止めには行きたくない。
何としてでも志望度の高い大学に行きたい。
という学生もたくさんいます。
しかし、浪人しても第一志望に入れる保証はありません。
不本意でも滑り止めの大学に進学するか、
浪人して第一志望の大学を目指すか、
こんな時に考えるべきことをこれから説明していきます。
元予備校講師の営業マンです。
高校の非常勤講師、学習塾・予備校の講師の経験を活かして大学受験に関する記事を執筆しています。
浪人する前提条件の確認
浪人をしたいと考えた時、まず始めにするべきはスポンサーである保護者の方との相談です。
確認すべきポイントは2つです。
①浪人する許可
1つ目は、浪人(予備校に通う)の許可です。
自宅浪人ならまだしも、予備校に通うとなると数十万円の出費が必要になります。
実際にお金を払うのはスポンサーである保護者ですから、自分の意思のみで浪人をすることは難しいです。
また、自宅浪人するにしても、まず保護者の方は反対します。
現役時代に志望校に落ちたのに、浪人して自己管理をしながら受験勉強を続けられるのか?
これは当然の疑問であり、保護者を説得しなければ自宅浪人は許してもらえないでしょう。
つまり、結局は浪人したい意思をちゃんと保護者に説明し、納得させる必要があるのです。
②志望校の範囲
2つ目は、志望校の範囲です。
現役時代は地元の大学ばかり受けてたけど、浪人するなら都市部の大学もありだな。
地元の大学だと、知人の同級生がひとつ上の先輩にもなるからな。
国公立限定なのか、私立も可能なのか。
地元限定なのか、他地域の大学で一人暮らしをしてもよいのか。
保護者の方と、あえて現実的な話をする上で自分自身の覚悟も定まってきます。
「なんとかなるさ」という軽い気持ちで浪人するとあとあと行き詰まります。
浪人して地元の大学に進学すると、高校時代は同級生だった友人知人たちが先輩になるかもしれませんから、そのへんも一応考えておくといいでしょう。
目標の決め方
前提条件の確認が終わったら、ゴールの設定です。
第一志望校をしっかりと定めましょう。
私は、「浪人生の第一志望校は高くても構わない」と講師として考えています。
最初から現実的すぎる目標にしてしまうと、1年間も受験勉強のモチベーションを維持するのが大変です。
模擬試験の判定が良くて油断してしまうこともあります。
自分自身に緊張感を与えるためにも、目標は現役時代よりも高く設定しておくのがよいでしょう。
また、第二志望や第三志望は、第一志望よりも難易度が低いものにするべきです。
現役時代の受験校よりも高い目標を第一志望に、現役時代の受験校よりも少し低めのものを第三志望にしておくとリスクを軽減でき、自分自身の到達度をはかる目安にもしやすいと考えます。
予備校に行くべきか否か
目標を定めた後は、その実現に向けてのプログラムを組みます。
ある程度、プログラムが組まれている方がやりやすい方は、予備校などに入校することを勧めます。
どの予備校であれ、学習プログラムが組まれており、分からないときには講師に質問することができます。
また、予備校であれば自分で申し込まなくても模擬試験を受けることが可能です。
一方、自分でプログラムを組んだ方がやりやすい人は、自宅浪人(宅浪)を選択してもよいでしょう。
ただ、予備校講師経験者としては、あまり自宅浪人はお勧めしません。
理由は、自分をコントロールするのが大変だからです。
自宅浪人は全てが自由です。
ですから、自分で自分の行動をコントロールすることに失敗すると、やりたい勉強だけやって苦手なものは後回し。
生活リズムも滅茶苦茶になって収拾がつかないなどと言うことになりかねません。
ただ、向き不向きはあります。
予備校で一斉授業というスタイルに違和感やまどろっこしさを感じる場合は、自宅浪人の方が向いているでしょう。
いずれにせよ、どちらを選んでも浪人して大学合格を目指すという目標に変わりはありません。
自分に合った方を選択しましょう。
1年の行動計画を立ててみよう
高校3年生当時の年間行事予定や予備校のHPなどを参考にして、自分なりの1年の行動計画を立案してみましょう。
夏休みまでに何をするべきか、夏休みの講習を受けるべきか否か、模擬試験でいつまでにA判定・B判定をとれるようにするのかなど、多少無謀でも構いませんので自分で行動計画を立ててみましょう。
そうすることで、先が見えなくて真っ暗だった浪人生活のおおよその姿が見えてきます。
行動計画を立てるということは、自分で自分に対して「必達目標」を課すことにほかなりません。
目標を達成しようと考えるなら、道しるべがあったほうがよいのです。
⇒浪人生のスケジュールの立て方|予備校講師としてアドバイスします
行動を具体化することで不安を減らそう
人は先が見えないときこそ、大きな不安を感じやすくなってしまうのです。
浪人になるというのは、同じ学年の学生の中でも少数派の選択肢です。
友達が大学に行っているのに、一年間浪人することで人生を遠回りをしているんじゃないか
そんな思いが頭をよぎるかもしれません。
このような漠然とした不安を払うためには、冷静に今後のことを考えることが重要です。
自分が何年浪人できて、どの大学に入るために勉強し、目標実現のためにどのようなルートをたどるべきか、しっかり検討してみましょう。
志望校に合格できなかったショックを引きずり、いつまでも「浪人しても大丈夫かな」と迷うくらいなら、具体的な行動計画を立てたほうがよほど建設的です。
あなたが建てた行動計画は、あなたの今後の行く先を照らす灯となってくれるでしょう。
浪人としてしっかり頑張って、来年、大きく羽ばたいて夢や目標が実現できることを願っています。