大学生から一人暮らしを始めるなど、親元を離れて大学生活を始めるという方は住民票を必ず移しましょう。
大学卒業後は地元に帰るつもりだ
という方を筆頭に、一人暮らしを始める際に住民票の異動を行わない学生はたくさんいます。
しかし、住民票を地元のままにしておくと、大学生活中で不便なことがたくさん出てきます。
大学生が住民票を絶対に移すべき理由について、実体験を元に説明しているので参考にして下さい。
そもそも住民票って何?
住民票(住民基本台帳)は、個人の氏名や生年月日、性別や住所などを記録している国のパーソナルデータです。
そして、国民健康保険や国民年金などの行政サービスの基礎にもなっています。
つまり、住民票はあなた個人を特定するために必要な公的なデータなのです。
住民票は引っ越すと必ず移さなければならない
【1】引っ越すと14日以内に住民票を移す必要がある
同じ市町村内で引っ越しを行う場合でも、他の市区町村に引越しを行う場合でも、引っ越しから14日以内に住民票の転出届を出さなければいけません。
これは、住民基本台帳法によって定められています。
正当な理由なく、引越し後に住民票の転出をしなかった場合、5万円以下の過料を受ける可能性もあるので注意が必要です。
【2】学生も住民票を移すべき
「民法22条の解釈により、学生は住民票の異動しなくてもいい」という意見はよく聞きます。
●「生活の拠点が変わらない場合(大学卒業後に地元に帰るつもりである場合など)」
●「新住所に住むのが1年未満と分かっている場合」
大学生の場合、引っ越し後に住民票を移していなくても、
卒業後に地元に帰るつもりだった
という理由であれば、住民票を移さなくてもいいという意見ですね。
しかし、学生であっても、必ず住民票を移しておくべきなのです。
総務省も学生の住民票異動を推奨しています
総務省(⇒ 住所の異動届は正しく行われていますか?(総務省))も、入学による引っ越しをした場合は、住民票を異動することを推奨しています。
大学生が住民票を移しておくべき理由
【1】郵送物が一度実家へ送られて二度手間に
【2】運転免許の本試験・更新のためにわざわざ地元へ
【3】住民票が必要な時は実家に毎回連絡
【4】現住所と居住地の住所が異なる理由をよく質問される
【1】郵送物が一度実家へ送られて二度手間に!
公的な書類や大学関連の書類など、大切な書類郵送物はたいてい「現住所(住民票登録をしている場所)」に送られます。
つまり、住民票を移していなければ重要書類は実家に一度送られるのです。
これがすこぶる面倒くさい。
住民票を移してさえ入れば何も問題ないのですが、現住所が居住地と異なるせいで、実家からあなたの下宿先まで重要な郵送物を送ってもらわなければならないのです。
これでは余計な郵送費がかかってしまいますし、何よりも自分の手元に届くまでに無駄な時間がかかってしまいます。
【2】運転免許の本免試験・更新のためにわざわざ地元へ
多くの学生が大学生活中に運転免許を取得します。
運転免許を取得する際、教習所は公認であれば全国どこでも(合宿免許含む)問題はないです。
しかし、教習所を卒業した後に受ける「本免試験」の学科試験の受験や免許証発行は、住民票を置いている場所の免許センターでなければ出来ません。
運転免許の更新も同様です。
つまり、「運転免許の取得や更新のために、わざわざ住民票を置いている地元に帰らないといけない」のです。
地元が遠い学生は交通費が無駄になりますし、時間もとてももったいないです。
【3】住民票の写しが必要な時は実家に毎回連絡
何かのサービスに登録する際、「住民票の写し」を求められることが多々あります。
この住民票の写しは、住民票を置いている市町村にわざわざ受け取りに行かなければいけません。
もちろん自身の代わりに家族に受け取ってもらうという手段もありますが、その場合でも結局郵送してもらわなければいけません。
何か急ぎの手続きで住民票の写しが必要な際に、すぐに住民票の写しが手に入らない状況では余計な時間をロスしてしまいますし、イライラを感じてしまうことがあります。
【4】現住所と居住地の住所が異なる理由をよく質問される
「現住所」は、本人の住民票に記載されている場所です。
つまり住民票を移動していない場合、現住所と実際に住んでいる場所が異なるということになります。
銀行口座やクレジットカードを開設する際や、病院で診察券を作る際など、「保険証」に記されている現住所と実際に住んでいる住所が異なる理由について、窓口のスタッフの方に本当によく質問されます。
身分証明書の現住所は○○ですけど、居住地は△△です
と毎回説明するのは面倒くさいですし、やはりややこしいです。
経験上、金融機関の場合は特に詳しく追及されることが多いです。
成人式は住民票のある地域に行かなきゃダメ?
住民票を地元から移さない大学生に多い理由が、
地元の成人式に出席したいから
というものです。
成人式の時期になると市役所から成人式への招待状が届くのですが、基本的に成人式の会場は住民票を登録している地域になります。
つまり、住民票を異動していると「顔見知りが全くいない成人式会場への招待状が届く」可能性があるのです。
これは困りますよね。
しかし、安心して下さい。
住民票を異動していても、市役所に地元の成人式への招待状を送ってもらうことは出来ます。
これについては、こちらの総務省のポスターにも記載されています。
詳しくは、地元のお役所のHPや電話での確認をするべきですが、たいてい一本の電話で成人式への招待状の受取住所を変更することが出来ます。
また、招待状を受け取っていなくても、身分証明書さえあれば当日出席できる成人式会場もあります。
住民票を移す手順
同じ市町村の中で引っ越しをする場合、市役所に転居届を提出する必要があります。
転居届の用紙は市役所で貰うことができますから、その場ですぐに記入して提出してしまいましょう。
他の市町村に引っ越す場合、以下のような手順を踏む必要があります。
① 引越し前の市役所に「転出届」を提出
② 転出届と引き換えに「転出証明書」を受け取る
③引越し先の市役所で、「転出証明書」と「転入届」を一緒に提出する
転出届と転入届の用紙は、市役所で貰うことができます。
その場ですぐに記入し、提出してしまいましょう。
住所変更の届け出が必要なもの
住民票を異動したら、以下のものも住所変更の届け出を行いましょう。
- マイナンバーカード(もしくは通知カード)
- 住民基本台帳カード
- 運転免許証
学生は住民票を移そう!
先程挙げた以外でも、住民票を移しておかないと、
- 居住地で選挙投票できない
- 印鑑の登録が居住地でできない
など、細かなところで不便なことがたくさんあります。
住民票の異動は、「地元の役所で転出証明書を受取り、その転出証明書と転入届を引越し先の役所に提出するだけ」ですから、とても簡単です。
大学生活に慣れてしまうと、住民票を移す手続きがどんどん面倒くさくなってしまいますし、住民票を変更することで登録内容を変更しないといけないモノがどんどん積み重なっていきます。
引っ越したら、すぐに住民票を新住所に移しましょう。
そして、すでに長い大学生活を送っているという学生も、出来るだけ速やかに住民票を移しておきましょう!