【経験談③】学部選択に失敗して2年次に大学中退
【性別/年齢】男性22歳
【現在の職業】会計士補助
【中途退学した大学】山形大学理学部
【中途退学した学年】2年次
学問のギャップに耐えられなかった
大学を中途退学すると決めた理由を教えてください。
端的に言ってしまえば、自分が学びたいと思っていた学問とのギャップがあったためです。
高校時代は数学や計算などに関心があり、理系選択のまま流れで理学部を目指しました。
そして志望していた理学部に見事進学できたのはいいのですが、通っているうちに自分のやりたいことでは無いと気づき、中途退学を決意しました。
親からは意外とあっさり認められた
親の説得には苦労しましたか。どのように親を説得しましたか。
私の家庭は母子家庭で、私は二人兄弟の次男です。
兄がすでに大学に入学しており、良いモデルでもありました。
母も、兄と同じように私が普通に大学を卒業すると思っていたと思います。
「これまで愛情を持って育てられてきて感謝しているけれど、自分の人生は自分で決めたい。
やり直すのに周りの目は気にしないし、奨学金もこれまで通り自分で払うので辞めます。」
といった旨の言葉を告げました。
説得とまでは言わないけど、親にお金はかけさせないという形で大学に入学したので、比較的あっさり認めてくれました。
シングルマザーなので人生は何事もうまくいくわけではないことを重々理解した上で、認めてくれたのだと今では感じています。
会計士補助の求人に応募
大学を中途退学した後の就職活動について教えてください。
中退の届け出を出す前(在学中)にアルバイトをしていたので、しばらく4ヶ月ほどはそちらでお世話になりました。
その間に、会計士の補助として求人を出していた個人事務所に就活していました。
大学を中退している人はかなり不利なのではないかとも思ったのですが、
と、面接の際にその事務所の所長さんに言われ、少し希望が持てました。
今では、その時の事務所でお世話になっています。
大学中退したことをマイナスにとらえるのではなく、中退した理由について納得できる事情や体験談を自らきちんと話すことが強みに変わるのだと感じます。
中退が恥ずかしいことだと思って、自分の中で留まっているのではなく、公言したことで支えてくれる人もたくさんいました。
このことも次に就活なり再入学する上では大切なことだと思います。
世間的に”中退”のイメージは悪い
中途退学したことを後悔したことはありますか。
大学に進学した同級生には、ストレートで公務員なり大手企業なり、または経済・経営学部にいた友人には監査法人などで働いている人もいます。
正直、大学の授業の中で会計士試験の勉強ができることや、会計士を目指す仲間がたくさんいる環境がとても羨ましいと思いましたし、中退すると公務員の面接にはそれを強みにできないなぁと後悔しました。
社会に貢献できる仕事をしたいということもあり、公務員として(経理など)働きたいと考えた時期もありました。
しかし、世の中、中退には良いイメージがないのが残念です。
でもそれは中退した人が打ち壊して行かなくてはならないと思うので、大卒の人よりも努力しないと採用まではこぎつけないなぁと少し後悔はしました。
大学を抜けたからこそ、やりがいを見つけやすくなった
中途退学して良かったと感じたことはありますか。
中退したことはいずれ分かることだと思い、周りの人には自分から伝えました。
辞めた理由も、会計士を目指したいということも言っていたので、そういったものに関連した情報や求人のサイトを送ってくれる友人もいました。
こればかりは自分一人では調べきれない情報だし、とても有益だったと感じています。
短期間ではあったものの、大学時代に友達になってくれた人も支えになってくれてとても嬉しかったことを覚えています。
また、自分の意思(意志)でやりたいことを見つけて、それに向かって努力できている今があるのは良かったと思っています。
これは中退したことに対する僻みにも聞こえるかもしれませんが、大学を卒業して就職した友人の中には、
〇「やりたいことなかったけど一応就職しなきゃいけない」
〇「興味ないけど田舎じゃなくて都会で働きたいから業種はなんでもいい」
という意見の友達もいて、仕事にやりがいなく生きていくのは自分には合わないと思っています。
「大学を出るまでの4年間でやりたいことを見つけられずになんとなく就職する人」と、「大学は2年間もいなかったけどやりたい仕事を見つけてそれに向かって頑張る環境にいる人」を比べた時、私には後者の方が合いました。
もちろんお給料や大卒という社会的立場も関係するけれど、会計士は国家資格として社会的に高いステータスを保てると思いましたし、給料も前職や経歴にほとんど関係なく会計士として始まるという事実が、モチベーションに繋がりました。
なんとなくという曖昧なものから抜け出すには、中退という選択が自分の中でよかったものだと感じています。
大学を辞める前に中退後の進路を決めるべき
大学を中退したいと考えている方へのアドバイス
大学を中退するのにはさまざまな理由があると思います。
- 「経済的な理由」
- 「やりたいことと違った」
- 「他にやりたいことが見つかった」
- 「単位が取れなかった」
- 「バイトが楽しくてそのまま社員になれたから辞めた」
など自分の周りには中退に関しての理由はさまざま聞きました。
大学卒業はある意味で学歴というよりも大卒という資格のように思ったりします。
その資格があれば、中退者、つまり資格を持っていない人よりも有利に就活などができると思います。
中退した後にどうするか、どうしたいか、どうすべきかの道すじをつけてからやめる方が良いと思います。
どんな理由であっても、次にすべきことは見つけられます。
”次”が見つからないうちは、大卒という資格のために無理やりでも卒業した方が楽だろうと思います。
大学を辞めるなら、次に何をするのか決める、それが決まらない又は意志が弱いなら大学に残るという選択肢をするというのが私の考えです。
この経験談を読んでいる方のほとんどはまだ20代だと思いますが、10代でもしっかりと自分のある人はいますし、30代・40代でもだらしない人はだらしないです。
やり直すのに年齢は関係ないと思います。
そう思ったのならそうすべきです。
思い立ったが吉日の精神で前向きに考えて、頑張ってくださいね!